アンディはミドル級6回戦で、7勝(2KO)4敗のクンドン・チャイヨンジム(タイ=29)と対戦。開始早々の約30秒にダウンを奪ったものの、その後、カウンターを食ってダウン。アンディは立ち上がることができず、わずか1回1分8秒で痛恨の初黒星を喫した。
デビュー戦でセコンドに付いたバラエティータレントで兄のボビー・オロゴンは、他の格闘技の試合に出場し、JBCからセコンドライセンスの取り消しなどの可能性を示唆され、この日はセコンドを自粛。控室への立ち入りも控え、観客席からの応援にとどまった。
アンディは「何があった? 交通事故に遭ったようなもの。何も覚えていない。いつも最初のラウンドは様子を見るのに、止める人がいなかった。兄貴(ボビー)がセコンドにいないのが痛かった」と放心状態。兄ボビーは「ボクがセコンドに入れなかった部分が(敗因に)ある。弟は次、がんばってほしい」とコメント。
ボビーは問題とされた他の格闘技での試合出場について、「試合がダメだとは知らなかった。メイウェザー(フロイド・メイウェザーJr.=ボクシング5階級王者)だってプロレス(WWE)をやった。日本のボクシング界は、もっと世界に目を向けてほしい。ボクは格闘技をやめるつもりはない」とキッパリ。
ボビーが他の格闘技とのかかわりを断たない限り、再度アンディのセコンドに付くことは現行ルールではできない。そうなると、アンディは今後もボビー不在で試合をせざるを得ず、精神面での不安が気にかかる。
アンディの次戦は12月に予定されていたが、この敗戦で平仲明信会長は「白紙。次は来年の2月か3月になるでしょう。もうひとつ、がんばってほしい」と落胆を隠せなかった。今後のアンディは“兄ボビー離れ”ができるかどうかが、躍進のカギとなりそうだ。
(落合一郎)