報道によると、白鵬は母国モンゴル政府に対し、自身の国籍離脱を申請。どのような結果となるかは現時点では不明だが、申請が通った場合は日本国籍を取得する見通しとなっている。
外国出身力士が親方となるには、日本国籍の保有が必要不可欠。そのため、白鵬はこれまでも度々日本国籍取得の意向を各メディアに明かしてきた。今回の一件が滞りなく進めば、少なくとも引退後の5年間は「元横綱」として、年寄名跡を保持せずとも親方の身分が保証されることになる。
また、42回の優勝を始め数々の実績を持つ白鵬には、定年まで四股名のまま親方になれる「一代年寄」(20回以上の優勝が目安とされる)が認められる可能性も指摘されている。大鵬、北の湖、千代の富士(辞退)、貴乃花に続く史上5人目の適用者となれば、角界に「白鵬部屋」が誕生することはほぼ間違いない。
角界の第一人者が、自身の将来を見据えて下した決断。これを受けたネット上には「一相撲ファンとして素直に歓迎したい」、「一時代を築いた経験を多くの力士に還元してほしい」、「ゆくゆくは理事長なんて未来もあるのかな」といった声が寄せられている。
一方、中には「品位の無い横綱が親方になって本当に大丈夫なのか」、「今のまま親方になるのは期待より不安の方が大きい」、「親方として残るなら、相撲の歴史や伝統をもっと学ぶべき」といったコメントも。白鵬は先の春場所での「三本締め」をはじめ、その振る舞いが過去に何度か物議を醸してもいるが、この点を不安視しているファンも少なくないようだ。
自身の内弟子である大喜鵬(現山口)、石浦、炎鵬を、共に関取の地位まで導いている白鵬。このまま日本国籍取得にこぎ着け、現役引退後もその手腕を振るうことができるのか。続報が待たれるところだ。
文 / 柴田雅人