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“白鵬”時代は終わらず 横綱白鵬が執念の全勝優勝

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白鵬

 大相撲春場所千秋楽(25日、大阪・エディオンアリーナ大阪)、ただ一人無敗を守ってきた白鵬(東横綱)は、“平成最後の結び”で鶴竜(西横綱)を撃破。「14勝1敗」の逸ノ城(西前頭4枚目)を振り切り、「15勝0敗」で42回目の優勝を果たした。

 立ち合いからの攻めをこらえ、まずは左四つの体勢となった白鵬。その後、鶴竜にもろ差しを許すと、隙を狙った巻き替えで今度は得意の右四つに持ち込んだ。

 がっぷり四つの状態から引きつけや寄りを展開し、鶴竜を揺さぶった白鵬。最後は両まわしを引いて前に出る相手に、右上手投げを合わせて土俵外へ投げ切った。

 1分を超える熱戦の中で、勝負を決めた右腕を痛めていた白鵬。取組後の優勝インタビューで「最後投げる時に(右腕を)痛めてしまって。ちょっと痛いです」と語った横綱は、その言葉通り1人で賜杯を抱えることができなかった。42回目の優勝、そして“平成最後の優勝”に、どれほどの執念を燃やしていたのかは想像に難くない。

 2001年の春場所で初土俵を踏み、力士人生をスタートさせた白鵬。「平成に育ててもらいました」と語る通り、モンゴルからやってきた少年は平成という時代を駆け抜け、数々の記録を持つ大横綱へと成長した。

 全盛期の頃と比べると、怪我や休場の回数は増えた。また、この1年は自身の不在中に、御嶽海(東小結)や貴景勝(東関脇)といった若手が賜杯を手に台頭。今場所前は稀勢の里(元横綱/現荒磯親方)の引退も相まって、「世代交代の場所になる」と予想するファンも少なくなかった。

 しかし、長らく治世を敷く“絶対王者”は、決して玉座を渡すことはなかった。危ない場面もありながら、ただの1つも負けなかった全15日。予想を覆されたファンの多くが、改めて白鵬の強さを実感したことだろう。

 “平成最後の場所”で、健在ぶりを示した角界の第一人者。平成の時代はもうすぐ終焉を迎えるが、“白鵬”時代はもうしばらく、その歴史が続いていきそうだ。

文 / 柴田雅人

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