今回はそんな「プロ野球選手と有力アマ選手」の兄弟を紹介しよう。
①江越海地選手(三菱日立パワーシステムズ)
阪神タイガースの江越大賀選手の弟海地選手は、右投げ左打ちの外野手で、兄と同じ長崎海星高校で甲子園に出場。その後、地元社会人野球チーム三菱重工長崎野球部に入り、腕を磨く。
2017年から統合に伴い、神奈川県の三菱日立パワーシステムズ野球部に所属。兄にも勝るとも劣らない俊足と走塁技術が高く評価されている。3月に行われたJABA東京スポニチ大会では2試合連続ホームランを放ち、ポテンシャルの高さを見せつけた。まだ24歳と若く、プロ入りの可能性も残されている。
②大谷龍太選手(トヨタ自動車東日本)
アナハイム・エンゼルス大谷翔平選手の兄。身長は187センチで、右投げ右打ちの外野手である。高校卒業後、一般企業に勤務しながらクラブチームの水沢駒形野球倶楽部で腕を磨き、2010年に四国アイランドリーグ・高知ファイティングドッグスでプレーする。
2012年から新設のトヨタ自動車東日本野球部に移籍し、コーチ兼任外野手として活躍。昨年はチームを初の都市対抗野球出場に導いた。弟同様パワフルな打撃が持ち味で、3月のスポニチ大会NTT東日本戦では、流し打ちでライトへホームランを放った。
③野村昭彦氏(環太平洋大学前監督)
環太平洋大学野球部の野村昭彦前監督は、元広島東洋カープ・野村謙二郎監督の実弟だ。投手として駒澤大学・日本石油で活躍し、コーチ・監督を歴任。2013年から2018年まで、環太平洋大学野球部の監督として指揮を執った。
就任前は決して強いとは言えなかった環太平洋大だが、就任するとメキメキと力をつける。そして2017年の神宮大会では慶應義塾大学に勝利し、2018年は快進撃を続けて、あと一歩の準優勝を達成。残念ながら同年を以って監督を退任したが、指導力は高く評価されていた。
④安田亮太捕手(三菱重工名古屋)
千葉ロッテマリーンズの安田尚憲選手の兄亮太選手は、右投げ右打ちの捕手で、三菱重工名古屋野球部に所属する。
PL学園から明治大学とエリートコースを進み、三菱重工名古屋でもレギュラーポジションを獲得。弟同様パワフルな打撃に定評があり、都市対抗野球大会でホームランを放ったこともある。
そんな亮太選手は昨年の社会人野球日本選手権で見事に優勝。プロ入りはならなかったものの、社会人野球というジャンルで日本一の栄冠を手にした。
この他にもたくさんの「兄弟選手」がプレーしているアマチュア野球。プロ入りの夢が叶わなくとも、アマ最高峰の舞台でそれぞれが誇りを持ってプレーしている。一度見に行ってみてはいかがだろう。
文・櫻井哲夫