DeNAにも連敗を喫した9月8日の試合後、宮本和知投手チーフコーチが発言のニュアンスを変えた。試合前、守護神・ビエイラが2試合連続でベンチ入りから外され、そのことを聞かれ、「ちょっと疲れている部分がありますから」と説明していた。
ところが、である。ビエイラが一軍登録も抹消されることが判明。同コーチは「大事を取って」と、言い直したのだ。
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おそらく、「大事を取って」の発言は本当だろう。ビエイラは試合前の練習をこなしている。
「9月下旬から天王山になりそう。同24日からの阪神との3連戦で優勝の行方が決まるのでは」(プロ野球解説者)
24日からの3連戦が大一番になるとの読みは、阪神サイドからも出ていた。
最終決戦に向け、守護神を万全の態勢で臨ませたいとする采配は間違っていない。とは言え、それは最終決戦の舞台まで巨人が優勝戦線に踏み止まっていることが大前提となる。
ビエイラ不在は大きなハンディだ。「リリーバーの総動員」を予想する声も各方面から聞かれた。
「中川皓太を9回に登板させる継投策になると思う。デラロサはまだ本調子ではないので」(ベテラン記者)
それだけではない。先発ローテーションに入っている投手の配置換えもありそうだ。
「菅野智之の暫定クローザーも一部で囁かれていました」(前出・プロ野球関係者)
そもそも、原辰徳監督は今季の不振の原因は、球速が落ちたことだと思っている。年齢的なものではなく、投球フォームが変わったことによる悪影響であり、
「クローザーとして、1イニングを全力投球させれば、復活のきっかけにもなるのでは」
とも進言されているそうだ。
「ビエイラの再登録が可能になるのは、10日後。菅野が先発ローテーションを2回外れるだけ。先発陣への影響は無視できません」(前出・同)
菅野にもエースとしてのメンツがある。このままチームに貢献できないままシーズンを終えてしまえば、精神的ダメージが残る。そのダメージは来年のペナントレース開幕まで続く。そう考えると、菅野の暫定クローザーは、決して悪い話ではないだろう。
「菅野がリリーバーとして連投できないのなら、その時は中川で9回を締めてもらえば良い。今は打線全体が不振なので、僅差のゲーム展開は避けられません。ヘタに『リリーバーの総動員』なんて言ったら、チームが浮足立ちます。代理のクローザーは誰になるのか、しっかり決めておいた方が良い」(前出・同)
巨人が最も必要としているのは、連敗で沈みがちなチームの雰囲気を変える起爆剤だ。「エースの臨時登板」、新外国人選手の一軍昇格よりもインパクトがある。原巨人は最終決戦まで生き残ることができるだろうか。(スポーツライター・飯山満)