先シリーズではフル参戦を果たし、完全復活に向け、着実に歩みを進めている小橋。現在は、来たるべきシングル最前線復帰に向けてコンディションを整えている。
すべてはもう一度、黒GHCを腰に巻き、プロレス界に活気を取り戻すため。そして「止まっていた時を動かす」ためだ。
現王者の秋山準が第2次政権を発足させた2006年、挑戦者に指名されたものの腎臓ガンが発覚し長期欠場。対戦はかなわなかった。それだけに「今回は実現させないといけない」と胸に秘めた思いは強い。
もちろん頂上対決を行うためには、秋山が王者でいることが最低条件。「(秋山は)10回くらいは防衛しないと駄目。オレが挑戦するまで守り続けてほしい」と2ケタ防衛を義務付けた。13度の防衛とGHC史上で唯一、2ケタ以上防衛している小橋はライバルに厳しい注目をつけた。
鉄人は11度目の対戦相手として、秋山の対角線に立つつもりだ。
◎小橋が初講義
小橋は14日に帝京平成大学の講義に“初参戦”を果たした。同校の池袋キャンパスでおよそ200人の生徒を前に、「命の尊さとプロレス人生」をテーマに熱弁を振るった。
「苦しいことがあっても諦めずに続けていけば必ず何かを残すことができる」を一番伝えたかったという小橋は、教材としてヒザのケガによる長期欠場から復帰した2002年2月17日の日本武道館大会小橋&三沢光晴VS秋山準&永田裕志のDVDを使用した。
関係者によれば、中には他の授業を抜け出して受講した生徒もいたようで、鑑賞後には生徒数が増加していたという。講義後には生徒たちが握手しようと人だかりをつくる“伝説”も残した。
「教師は難しい。今回、至らなかった点をもっとやらないと駄目。熱血先生にならないと」
2週間後に控える“再戦”に向け、早くも鉄人は闘志を燃やしていた。