search
とじる
トップ > スポーツ > 過去の講演会まで有難がられている岡田監督

過去の講演会まで有難がられている岡田監督

 2009年12月1日に早大で行われた、サッカー日本代表監督の岡田武史氏(53)の講演会の全編が、動画や活字でネット上に公開され話題になっている。
 ベスト4発言の真意が明かされているなど、内容は盛り沢山。(ちなみにその真意は、目標を掲げれば「ベスト4」という端的な言葉で士気が高まりやすいから、というようなことだったそうだ。)すっかり名将の誉れをほしいままにしている岡田氏の過去発言がにわかに注目の的だ。

 「世界でも得点の15%はカウンターアタック。飛び出してくる敵の前1mと後ろ3mの位置にディフェンダーが一人ずつ付いて、やって来るボールを処理すれば、勝てる」など戦術面の話も、改めて説得力は増すばかり。が、特に心に残るのが、
 「僕も人間ですからみんなから「いい人だ」と言われたいし、好かれたいですよ。でも、この仕事はそれができないんです。なぜなら、選手にとっての“いい人”“いい監督”というのは『自分を使ってくれる監督』ですから。僕は11人しか使えないので、あきらめないとしょうがないんです」
 という一節である。

 これは、ウォーターゲート事件の調査報道でニクソン政権ひいては史上初めてアメリカの現政権を任期中に退陣に追い込んだ、ワシントン・ポスト副編集長のジャーナリスト・レーナード・ダウニー氏(67)が、NHKの番組〈プレミアム8 未来への提言〉で語った言葉とまったくよく似ていた。同氏曰く、
 「私にはひとりも友達がいません。都合のいい記事を書いてもらおうと擦り寄って来る人を遠ざけるためです」

 仕事が終わったら家に帰るだけ、そんなワーカホリックで個人主義のアメリカ人と日本人とを同列に比較は出来ないのかもしれないが、何度も結婚と離婚を繰り返したというダウニー氏に対し、“嫌われ者”のレッテルを引き受けた岡田氏も、「そんな強い人間ではないので」(講演会より。)批判や中傷に呻吟した苦しみと葛藤の日々があったという。

 すべてを自らで決断しなければならない“名指揮官”のはかりしれない孤独の深みを思わずにはいられない。

 いっぽう、自分に厳しく出来る指揮官だからこそ、選手も一人前として扱い、デンマーク戦前半での選手たちの守備システムの変更の自主性=大会での成長、を暖かく見守れたのかもしれない。
…ま、もはや評価はなんでもありである。あらためて、すいませんでした。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ