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キャバ嬢が生まれる瞬間(83)〜私生活の空しさからキャバ嬢になった亜美〜

佐藤亜美(仮名・26歳)

 私は学生の頃から、周りで群れたりせず、いつも教室では1人でいる方だった。友達といても芸能人やテレビ番組、それと知らない男との恋話ばかりで、一緒にいても疲れるだけ。休みの日も外に遊びに行かず、寝ているか読書をしてた。そんな生活は大人になってからも続く。高校卒業後、美容系の学校へ行ったけど、在学中にその業界への憧れは薄れ、特に就職しなかった。それから私は生活のために、求人誌で見つけた大手通販サイトの倉庫で働くようになった。

 毎日、早朝に都内の駅前に集合し、バスで1時間かけて倉庫へ向かう。バスは満員ながら、どこか沈んだ空気が漂っていて皆、会話はなし。そして現場についてからは、ロボットのように、次々と印刷される注文の紙を持って、商品を探さなければならない。商品を運ぶスピードが重視され、ノルマもあるのだけど、それが厳しすぎて辛かった。どうやっても走らなければ間に合わない状況でも、追突事故に繋がる可能性があるから、早歩きで行動しなければならない。また立ち止まることも、ほとんど許されないから足はパンパンになる。それと、少しでも遅れると現場担当者から、厳しい注意が飛ぶから、気が休まらなかった。

 そんなバイトの帰り道、半額の惣菜を買うため、近くのスーパーへ行った時だった。私と同じ年ぐらいの夫婦が子供を連れて、楽しそうに買い物をしている様子を目撃したんだよね。それを見た瞬間、なぜか急に自分の人生が空しくなった。私は手に持っていたカゴを元に戻し、何も買わずに店を出た。そして帰り道、私はずっと泣いていた。同年代は結婚、出産と順調に人生の階段を上っているのに、私は休みの日は1日中寝て、借りてきたDVDを見ているだけ。

 もうこうなったらお金持ちと結婚して一発逆転するしかない。そう思った時、私は通販倉庫を辞め、キャバクラで働き出した。ここなら会社の経営者とか経済的に余裕のある人たちと出会えるチャンスがある。だから私は家庭を持つためにキャバクラで働くことで、失いかけていた人生を取り戻すつもりです。

(取材/構成・篠田エレナ)

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