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ヤクルト、最下位なのに「人件費」はインフレ? バレンティン・山田の去就にも影響か

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 チーム編成というのは、本当に難しい…。

 東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン(35)が国内フリーエージェント権(以下=FA)を取得した。バレンティンというと、真っ先に思いつくのが、2013年に樹立した「シーズン60本塁打」のプロ野球記録だ。本塁打王3回、ベストナイン2回、昨季も打点王に輝く“優良助っ人”であり、FA取得時には「日本で現役生活を全うしたい」と言いつつも、「(行使するかどうかは)シーズン終了後に考えたい」と、ビミヨ〜なコメントも残している。

 大多数のメディアは高額年俸を保証する他球団への流出、つまり、ヤクルト退団を予想していたが、守備難と年齢などから、「残留せざるを得ない」との声も聞かれた。

 「来季から外国人枠から外れ、日本人選手として扱えるのも魅力です。指名打者制のパ・リーグに移籍する選択も考えられますが、バレンティンの年俸は高すぎる。ヤクルト残留という、現実的な選択になるのでは」(プロ野球解説者)

 メディアが騒ぐほど、他球団のバレンティン評は高くないという。

 しかし、ヤクルトの関係者は解説者たちの「残留濃厚」の予想に複雑な表情も浮かべていた。

○ヤクルトの年俸順位(推定)
 1位 バレンティン 4億4000万円
 2位 山田哲人 4億3000万円
 3位 青木宣親 3億3000万円
 4位 ブキャナン 2億7500万円
 5位 坂口智隆 1億4000万円
 同 川端慎吾 1億4000万円

 外国人選手を含めたヤクルトのチーム総年俸は、約32億円。これは、巨人、ソフトバンク、阪神に次いで、12球団中4位という高い数値でもある。平均年俸6000万円強、8人の1億円プレーヤーを抱えているからだが、ここに、成長著しい19歳の村上宗隆(=800万円)、中村悠平(29=9000万円)、太田賢吾(22=890万円)、廣岡大志(22=870万円)、奥村展征(24=950万円)など昇給必至の若手もいて、マクガフ(29=5500万円)、ハフ(35=7150万円)、ブキャナンらの外国人投手との契約も今季で終了となる。彼らも結果を残している。残留交渉を行うとなれば、昇給提示となる。

 「山田の5億円突破は確実。バレンティンも本塁打29、打点82(108試合出場時点)と結果を残しているので、残留交渉は5億円からのスタートとなるでしょう」(前出・同)

 ヤクルトは最下位だが、チーム総年俸がさらに膨らみそうだ。成績をダウンさせた選手もいるので、仮に来季も今季と同じ約32億円で総年俸が収まったとしても、バレンティンと山田の2人で「10億円」を持っていく計算になる。特定の選手に年俸が集中するのは、宜しくない。

 「かつて、ヤクルトがペタジーニ、ラミレス(現DeNA監督)、グライシンガーといった優良外国人選手を他球団に流出させてしまったのは、年俸が払い切れなかったからです」(前出・プロ野球解説者)

 バレンティンよりも、山田の去就のほうが心配になってきた。27歳、まだ伸びしろはある。山田の周辺から「メジャー挑戦」の話は出ていないが、将来、年俸を理由にチームを離れることになるかもしれない。ライバル球団の編成スタッフがこう言う。

 「ヤクルトは野手もしっかり育てています。だけど、年齢構成で失敗していると思います。ベテランと若手、ピークを迎えた選手と、これからピークを迎える選手のバランスを保たないと、チーム総年俸が一気に上る時期を作ってしまうんです」

 年齢構成も考えて、戦力を整えなければならないというわけだ。山田に高額年俸を払うために、やはり、バレンティンを出すということになるのだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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