プロ初出場・初先発を果たした小園海斗の初打席初ヒットで幕を開けた試合は、広島が序盤3回までに5得点。6回裏には鈴木誠也に18号ソロも飛び出し、6点リードで試合を優位に進めていた。
しかし、直後の7回に一岡竜司、中村恭平が打たれ4点を失うと、8回はレグナルト、9回はフランスアがそれぞれ失点。終盤の3イニングで、一気に同点に追いつかれてしまう。
6点リードを守れなかった広島だが、その裏、菊池涼介の四球を皮切りに、二死満塁のチャンスを作る。この場面で會澤翼がサヨナラとなるタイムリーを放ったことにより、延長戦に突入する前に何とか試合を決めることとなった。
大勝ムードから一転、薄氷の勝利となった広島。今回の試合を受けたファンからは、「形は悪いけど、とりあえずは勝てて良かった」、「このまま負けるかと思ったがよく踏ん張った」、「中継ぎ陣は反省して次に活かして」といったコメントが寄せられている。
一方、前述したコメントの中には「これで交流戦歴代最低勝率はなんとか免れた」という内容も。交流戦の歴代最低勝率はDeNAが2015年に記録した「勝率.176」(3勝14敗1分)だが、この記録の再現を恐れていたファンも少なくなかったようだ。
同年のDeNAはセ首位で交流戦に突入するも、期間中に記録した白星はわずか3勝。また、6月3日ソフトバンク戦から14日日本ハム戦まで、引き分けを挟んで10連敗を喫するなど大不振に陥っていた。
交流戦最下位に沈む広島は、20日試合前時点で「3勝9敗1分・勝率.250」。残り4試合で全敗を喫すると、DeNAと並ぶワーストタイ記録が樹立されるという状況だった。
一部ファンの間では、“アンタッチャブルレコード”とも呼ばれている交流戦歴代最低勝率。今回のサヨナラ勝利は、それを回避できたという意味でも大きな1勝となったのかもしれない。
文 / 柴田雅人