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またもや「Vゼロ%」の危機!緒方カープ大失速の敗因は…

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 V逸の「2度目の危機」に直面した原因は「補強不足」ということだろう。

 広島の守護神・中﨑翔太(26)の二軍降格が決まった。6月18日の千葉ロッテ戦の延長11回、2対2の同点の場面でマウンドに送られたが、4失点の大炎上…。広島の交流戦最下位が決定的となった瞬間でもある。

 交流戦は今季で15年目だが、過去最下位となったチームは一度もリーグ優勝を果たしていない。広島にとって、今季、「2度目のV可能性ゼロ」の試練が始まった。

 1回目の「V可能性ゼロ」は、ペナントレース序盤だった。2リーグ制以降、開幕から4カード連続で負け越したチームは一度も優勝していない。こちらは、チームを立て直し、首位戦線に復帰したわけだが、2度目の試練を克服するには、救援陣の立て直しが不可欠である。

 「18−19年オフ、広島は先発要員だった福井優也を出して、楽天・菊池保則とのトレードを成立させました。その菊池は救援人の一角を担っており、トレードそのものは成功していますが」

 投手出身のプロ野球解説者がそう言う。福井はドラフト1位で指名した先発要員だ。その福井を放出してまで「中継ぎタイプ」の菊池を獲ったということは、ブルペン陣を見た首脳陣が「このままでは、19年シーズンはヤバイ」と思ったのだろう。

 中﨑は昨季、68試合に登板。近年の登板数を見てみると、15年69試合、16年61試合、17年59試合と登板過多の傾向にあった。中﨑だけではない。昨季、一岡は59試合、フランスアが47試合、アドゥワも53試合、今村も43試合に登板している。広島のリリーバーは全体的に登板過多の傾向にあり、ここに、アドァワの先発転向、48試合に登板したジャクソンの退団も重なった。「菊池の補強だけで長いシーズンを本当に乗り切れるのか?」という懸念があったのだ。

 もっと言えば、過去3年間の優勝は中﨑のおかげであり、その中﨑の「勤続疲労」を甘く見ていたということなる。

 「18年の広島は『逆転のカープ』とも言われていました。先制されても、打線が追い上げ、試合終盤で逆転、と。つまり、リリーフ陣が奮闘し、打線の援護を待っていたんです」(前出・プロ野球解説者)

 中村恭平と新加入のレグナルトが今季は奮闘している。しかし、中﨑を過信していた感は否めない。

 「緒方監督は新守護神としてフランスアに期待していきました。現在、フランスアがクローザーを任される試合も多く、こちらは予定通りですが、中﨑の登板数を減らすという構想ではありませんでした」(前出・同)

 登板過多の救援陣の立て直しを任されていたのは、佐々岡真司投手コーチ(51)だ。昨季オフに二軍から一軍への配置換えが決定。当然、中﨑たちの疲労も指摘されており、手腕の見せどころでもあった。

 その佐々岡コーチは、中﨑、一岡以外の全投手に「先発のつもりで調整せよ」と通達した。先発のつもりで調整すれば、「救援に回っても対応できる」の持論によるものだが、裏を返せば、「逆転勝ちのカープ」は、いつも先発陣投手陣が先取点を奪われてきたわけだ。先発投手陣に喝を入れ、底上げも狙ったようだが、うまくいかなかったようである。

 結果論だが、救援専門と通達して調整させるピッチャーがほかにいても良かったのではないだろうか。中﨑の復活が待たれる。緒方カープが再々浮上するまではちょっと時間がかかりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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