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桜庭和志「殴り合いより面白い」新グラップリングイベントQUINTETが見せた可能性

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HALEO DREAM TEAM

『QUINTET.1-Grappling Team Survival Match-』

▽11日 両国国技館 観衆 4,039人

グレイシーハンターとして2000年代前半を牽引した“格闘技界のレジェンド”プロレスラー桜庭和志が11日、組み技や締め技で勝敗を決めるグラップリングルールによる新格闘技イベントQUINTETを両国国技館で旗揚げさせた。

このイベントは、20人の選手が4チームに分かれて5対5の勝ち抜き戦を行う柔道の団体戦の要素を取り入れているのが特徴で、今回は桜庭和志、ジョシュ・バーネット、所英男、マルコス・ソウザ、中村大介のHALEO DREAM TEAM(HALEO)、石井慧、小見川道大、出花崇太郎、ユン・ドンシク、キム・ヒョンジュのJUDO DREAM TEAM(JUDO)、グレゴー・グレイシー、クレイグ・ジョーンズ、宇野薫、マーチン・ヘルド、ダン・ストラウスのPOLARIS DREAM TEAM(POLARIS)、マリウス・ザロムスキー、テオドラス・オークストリス、ミンダウガス・ベルツビカス、セルゲイ・グレチコ、ビクトル・トマセビッチのSAMBO DREAM TEAM(SAMBO)が出場した。

トーナメント1回戦の第1試合で、最初に入場したJUDOは、全日本プロレスで引き分けのテーマとして使用されている『カクトウギのテーマ』で入場。HALEOは桜庭のテーマ曲『SPEED TK-REMIX』から『UWFメインテーマ』に繋がる合体テーマ曲。これには国技館に集まったファンから歓声が上がった。HALEOの先鋒は中村が、JUDOの先鋒は小見川が出て、QUINTETの歴史の幕を開けるゴングが鳴らされた。全試合8分1本勝負が原則だが、体重差が20kg以上ある場合に限り、4分1本勝負に。時間内に決着しない場合は両選手が失格となり、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将と選手が入れ替わり、大将に勝利または引き分けで失格させたチームが勝利となる。1回戦第1試合では、ジョシュ・バーネットを温存(1人残り)させて、JUDOの5選手を失格させたHALEOが勝利。JUDOの大将を務めた石井はルールに不満を漏らしながらも、ジョシュとの対戦を希望しリベンジを誓った。

1回戦第2試合では、SAMBOがかつて新日本プロレスを席巻したソ連(当時)のレッドブル軍団や、PRIDEのイゴール・ボブチャンチンが使用していた『レッド・スペクタクル』で入場すると、POLARISは予想通りグレイシー一族のテーマとしてお馴染み、映画『ラスト・オブ・モヒカン』から『Fort Battle』で入場する。この試合は“グラップリングの新星”クレイグ・ジョーンズが驚異の強さで2人抜きをすると、急遽来日したマーチン・ヘルドが残る3人を消し去り、僅か2人で決勝進出を決めた。

決勝はグレゴー・グレイシーを含む3人を温存しているPOLARISが圧倒的に有利な状況だったが、HALEOは1回戦に出場していないジョシュが先鋒で登場。POLARISは「HALEOのポイントゲッターであるジョシュをいかに消すか」という戦略から、大将格のグレゴーが先鋒を務めた。体重差が20kg以上あったことから試合時間は4分。グレゴーはこの役割をしっかり果たすと、次鋒のダン・ストラウスが、中村大介をリアネイキッドチョーク(チョークスリーパー)、所英男をギロチンチョークで続けて絞め落とし、「自分のアイドルだった」というHALEO副将の桜庭と初対決。桜庭は「足を捕まえても逃げるのが上手かった。8分間は疲れた」と振り返っていたが、引き分けで桜庭を失格させた。HALEO大将のマルコス・ソウザは、POLARIS中堅の宇野薫を腕ひしぎ十字固めで1本勝ちを収めるが、副将でこの日3試合目となるクレイグ・ジョーンズに膝十字固めを決められて万事休す。POLARISが圧倒的な強さを見せて、第1回大会を優勝した。

試合後、プロデューサーも務めた桜庭にUWFメインテーマを使用した意味を聞いてみると「いろんな意見を聞いてああいう形になった。(狙い通りだった?)はい。沸いてくれてよかったです。プロレス同好会なんで」と笑みを浮かべ、隣りにいたジョシュも「僕はUWFチルドレンだから、あの曲で入場できてエキサイティングだったよ」と嬉しそうに話していた。

「関節技のタップとは、相手に自らの意思で敗北を認めさせること。だから殴り合いより面白い」

そんな桜庭の発想から生まれた新たな格闘技イベントQUINTET。桜庭は「まだまだ改善していく必要がある。もっと動きのある試合ができるはず」と今後の課題を口にしていたが、アマレスと同じ大きさのマットで繰り広げられた組み技や締め技の“決め合い”はとても新鮮で、進行もスムーズで興行時間もストレスを感じなかった。次回は海外での開催が濃厚だそうだが、グラップリングの可能性をこれからも追求し、楽しませてもらいたい。

▼トーナメント1回戦(5対5勝ち抜き戦)
○HALEO DREAM TEAM(5-4)JUDO DREAM TEAM●
○POLARIS DREAM TEAM(5-2)SAMBO DREAM TEAM●
▼トーナメント決勝戦(5対5勝ち抜き戦)
○POLARIS DREAM TEAM(5-3)HALEO DREAM TEAM●
※POLARIS DREAM TEAMが優勝

取材・文 / どら増田
写真 / 萩原孝弘

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