(取材・文:川上ぽこひろ 写真:大崎えりや)
−−小説を書いたきっかけは?
僕は根っからの読書好きで、しかもコント師であることも手伝ってか、物語を作るのが性に合っているんです。なので、いつかは小説を書こうと思っていました。
−−どのくらいの時間をかけた?
構想に4年、執筆に4年で計8年間です。風呂でもトイレでも書けるように、執筆はすべてケータイで行いました。はじめはガラケー、のちにスマホ。時代の流れを感じます、なにせワールドカップ2大会分ですものね(笑)。
−−どのような物語?
日常生活になんとなく不満を覚えている主人公“アタシ”が、不思議な能力を持つ“志木”とともに、お年寄りの“最後の願い”を叶えながら生きる意味を少しずつ見出していくファンタジーです。“アタシ”は現代に生きる誰もが共感できるはず。自分と重ね合わせて読んでくれたら嬉しいです。
−−今後の目標を
なんといっても自分の本業は芸人。でも、小説は自分と切っても切り離せない存在です。僕にとって、笑いと涙は表裏一体なので、今後はどちらも続けていきたい。そして実は、2作目をすでに書き進めているんです。でもまずは、この作品の映画化を待ち望んでいます(笑)。
【プロフィール】
ペナルティ・ヒデ。
71年生まれ。千葉県出身。市立船橋高校サッカー部時代に、インターハイ優勝を経験。大学卒業時にプロチームからのオファーを受けるも辞退、高校の後輩であったワッキーとコンビを組み、お笑い界へ。2013年、本名・中川秀樹として「四季折々 アタシと志木の物語 上・下」(竹書房)で作家デビュー。