哲夫は写経を日課とするなど“仏教通”として知られており、2009年発行の解説本『笑い飯哲夫訳・般若心経』(ヨシモトブックス)も好評とか。この日は、東大学園祭である「第84回・五月祭」の初日で、東京大学仏教青年会のオファーにより、同講義が実現した。
大学での講義は初めてという哲夫は、やや緊張気味で教壇に登場。以前、寺で講義をした時の経験を語り、「全員正座、全員合掌で迎えられたらどうしようと思った」と笑いを誘った。講義が始まると、「仏陀」「煩悩」「中道」らについて語りだし、スライド解説に移るころには、調子を帯びたトークで会場をわかせる場面も。放送作家になりたいという学生からの「仏教的なエールを下さい」という要望に、「ボジソワカ! 幸あれという意味です」と応えた。
講座終了後、哲夫は、「三島由紀夫に見えるよう心がけました。『東大全共闘との対話』をよくYouTubeで見るんです」と登壇時の心境を語った。昨年に9年かかって手に入れたM-1グランプリチャンピオンの実感は「変わった。コマーシャルに出てますもん」。しかし、「チャンピオンは一つの課程、まだまだ」と好調ぶりをうかがわせた。
哲夫は、3年前に漫才をやったときの経験を「東大の人は頭がいいのでよくうけた」と告げ、今日の講座にも「よく話を聞いてくれた」と手応え十分の様子。「ぜひ、こういう東大の講義のような依頼がありましたら、すぐに飛んでいきます」とも語った。(竹内みちまろ)