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お笑い芸人 豪快伝説 其の三十三『フットボールアワー』

 お笑い芸人。コメディアン。エンターテイナー。そんな彼たちがかつて刻んだ偉大なる伝説、爆笑列伝を紹介していく連載の33回目。サーティースリーバウトは、フットボールアワーだ。

 テレビ局が起用したい芸人のラインナップに、ここ数か月は必ず、フットボールアワー・後藤輝基の名前が入っている。スマートつっこみ。たとえつっこみ。そう呼ばれるつっこみセンスに、的を射た痛快さがあるからだ。

 そもそも、フットが全国規模で認知されたのは、漫才日本一決定戦『M-1グランプリ』。創設から3年後の2003年、無名ながらもしゃべくりだけで猛烈なインパクトを与え、悲願の優勝。翌04年の王者となったアンタッチャブル・山崎弘也とその後、いじり・いじられの間柄に発展するとはこのころ、誰も予想できなかった。

 当初、フットの看板といえば岩尾望だった。よしもとクリエイティブ・エージェンシーのなかでも、群を抜いたブサイクぶりが、そうさせたのだ。いつしか、130Rのほんこんが君臨しつづけたトップの座を、脅かす存在にまでなった岩尾の顔面パンチ力。「稼げるブサイクになれ!」と言われたその教訓を、見事に漫才で生かした。

 このとき、出しゃばらず、虎視眈々と勝機をうかがっていたのが後藤。まずは相方を浸透させて、認知度を築けたあと、フリートークで前に出た。バナナマンでいえば設楽統。オードリーでいえば若林正恭。真の操縦者が覚醒したとき、コンビはもう一度ブレイクするというジンクスを、後藤は実現させて見せた。

 実母も愉快だ。息子の仕送りで、50歳をすぎてプチ整形。弁も立つ後藤の実母には最近、ピンでテレビ出演のオファーがくるという。

 後藤の彼女は、20代後半の「ぺろちゃん」。岩尾の彼女は、次長課長・河本準一が主催する飲み会で出会った美人カメラマン。ともに、女性の存在を隠さないところも、好感度が高い要因だ。後藤がタレントの芹那を口説いた、岩尾の元カノはAV女優の糸矢めいという、そんな過去のゴシップも笑い飛ばせるほどに…。(伊藤由華)

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