惜しまれながら終了した『エンタの神様』(日本テレビ系)の卒業芸人で、今なお月収3ケタをキープしているのが、カンニング竹山。元相方は、小学生からの友人である中島忠幸さん。2006年12月、35歳という若さでこの世を去った。妻と子どもを残したまま、急性リンパ球性白血病に負けたのだ。
闘病期間は、およそ2年。『エンタの神様』で“キレ芸漫才”が浸透して、いよいよこれからというときに、カンニングは片翼飛行を強いられた。
竹山は、「とにかく前を向くだけ」と、急務的なソロ活動を地道にこなした。すると、MC、ひな壇、フリートークといったバラエティのみならず、ドラマ、映画もコンスタントにこなせるマルチタレントになっていた。
驚くのは、このころのギャラを折半にしていたことだ。「今の自分があるのは、カンニングのおかげ」という思いは、吉本興業の芸人としてデビューした当初から変わっていない。その意思を貫くため、ギャラの半分を相方の治療費に充てていたのだ。
さらに、すでに同棲していた現在の妻との入籍も、「中島が治るまでは」と先延ばし。長い交際、同棲の末に結婚したのは、中島さんが急逝したあとだった。
「カンニング」の看板は、芸人を続けているうちは下ろさないと決めている。そして、誰かと組んで漫才をするということも絶対にしないと、決めている。その強い信念が、所属するサンミュージックではベッキーと並ぶ稼ぎ頭になった所以かもしれない。
今では、金の成る木ならぬタレントになった竹山。だが、売れない芸人時代は借金まみれの毎日だった。あらゆる消費者金融の借り入れ限度額に達していたため、取立て屋からどう逃げるか、その策を講じる日々だった。
しかし、タレントとして大成すると、かつての借金総額450万円を、わずか1か月で稼ぐようになっていた。このとき初めて、売れたことを実感したという。(伊藤由華)
画像:竹山隆範 (takeyama0330) - Twitter
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