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スリムクラブ猛プッシュの背後にある、吉本沖縄侵攻計画!

 最後の大会となった2010年の『M-1グランプリ』は、笑い飯の悲願の優勝に終わったが、優勝者である笑い飯にはさほど注目が集まらず、決勝戦で善戦したスリムクラブがブレイクするという皮肉な結果になってしまった。

 『M-1グランプリ』以前は真っ白だったスケジュールも、テレビやラジオの出演で埋めつくされ、一躍人気芸人の仲間入りを果たした。この吉本の猛烈なスリムクラブ推しに関して業界内部では、ある噂が囁かれている。

 それが吉本興行の沖縄侵攻計画だというのだ。実は、吉本の芸人にとって最も鬼門と呼ばれる地が沖縄だといわれていた時代があった。昭和の頃、一流の人気芸人を送り込んでも、独特の笑いの文化を持つ沖縄では吉本芸人はまったく受けず、惨敗の歴史を繰り返してきたのだ。

 だが、近年吉本は沖縄に積極的に進出している。ガレッジセールという人気芸人を輩出し、「よしもと沖縄エンターテイメントカレッジ」を創設し、沖縄の新人を確保し、地元経済界に取り入るために「沖縄国際映画祭」を立ち上げた。だが、やはり関西や関東に比べると、ヨソ者に対して厳しい沖縄では、なかなか地元経済界の仲間に入りきれないのだという。

 そこで、一族が数々の企業を経営し、沖縄経済界にも発言力のあるスリムクラブの真栄田賢を猛烈にプッシュすることで、地元の沖縄県民の反感を緩和させようとしていると噂されている。

 近ごろの吉本といえば、沖縄をはじめ日本中の主要都市に自分たちの拠点を作りあげ、特に沖縄ではアクターズスクールが輩出したような才能を手中に収めんと躍起になっている印象すら覚える。しかし、沖縄経済界の関西系企業への生理的嫌悪感は強く、関西風味のアクの強い笑いは一切受け入れない沖縄独自の文化風土がある限り、吉本の沖縄侵攻は困難であろう。ガレッジセールやスリムクラブがいくら島言葉で喋ろうとも、関西企業に“就職”した彼らに対して、沖縄県民が意外に冷ややかなことは事実なのである。(蟹山 新太郎)

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