「佐藤隆騎手が移籍当初からJRAや重賞を狙おうと期待していたのが、ルースリンドとこの馬だった」と故人を懐かしむように話すのは矢野義調教師。3歳の秋、ジョーカーはロジータ記念を前に骨折に見舞われ、11カ月の休養を余儀なくされた。ひと足先に復活を遂げ、厩舎の大将となったルースのたどった道と非常に似ており、不思議なめぐり合わせを感じるとトレーナーはいう。
昨夏に復帰後はブランクの影響が抜けるまでに時間を要したが、徐々に立ち直り、前走は重賞で2着惜敗。「3歳のころは砂を被ると嫌がったが、(今春の)しらさぎ賞で砂を被って追い込む競馬を経験してから、馬が目覚めたようでレースにも幅が広がった」と目を細めた。
「距離が延びるのは好材料。今回は別定戦だが、前回と変わらぬいい状態で臨めるのでチャンスはある」。待望のタイトル獲得へ、機は熟した。