チームの4番を張る鈴木誠也は、9連敗を喫した8日の中日戦後、「(明確な敗因は)出ていない。分かればここまで連敗しない」と報道陣に吐露。当事者である選手側も、精神的に疲弊している様子がうかがえる。
リーグ戦再開以降の11試合を見ると投手陣が3点以内に抑えた試合が6試合ある一方、そのいずれも味方の得点はそれ以下。1番打者が固定できていない(最多は野間峻祥の4試合)ことに加え、その後の2、3番を主に務める菊池涼介(期間内打率.103)、西川龍馬(同.205)も揃って不振に陥っていることが、打線に機能不全をもたらしている主要因となっている。
気づけば首位巨人と10ゲーム差のチームに対し、ファンの反応は「勝負事は最後まで分からないから諦めず頑張れ」、「もう優勝はおろかAクラスも無理だろうな」、「若手重視のオーダーにするのも面白いかも」とさまざま。
一方、中には「不振が続けばさらなる影響が出そう」、「もしこのままBクラスなら大規模なFA流出にも繋がりかねない」と今後を不安視するファンも少なくない。
昨オフ丸佳浩(現巨人)をFA移籍で失ったチームは、今オフまでに野村祐輔(投手)、會澤翼(捕手)、菊池(二塁手)の3選手がFA権を取得する見込み。菊池は既にポスティングでのメジャー移籍を公言し、残る2選手もその動向が注目されている。
この3選手はいずれも3連覇を支えた主力選手であり、チームとしては全員に残留してもらいたいところ。ただ、仮にこのままBクラスで終わると、「黄金期は終わった」、「しばらくは優勝を味わえそうにない」といったマイナスイメージのもと、FA選手側に愛想を尽かされてしまう可能性も否定できない。
また、もともと固いことで知られるチームの財布の紐も、Bクラスならばさらに締めざるを得なくなる。その状態で他球団との“マネーゲーム”に打ち勝つのは、極めて難しいことであるのは想像に難くない。
捕手に関しては磯村嘉孝(今季捕手で23試合出場)が會澤の後釜となれる可能性はあるが、その他2選手のポジション、特に菊池の二塁については有力な後釜候補は出てきていない。丸の穴を埋めきれていない中それがさらに3つも増えれば、いくら育成に定評のあるチームでも完全崩壊は避けられないかもしれない。
文 / 柴田雅人