カリスマが“ヤル気”だ。
王座奪還に向けてヴァージル・カラコダとの開幕戦に臨んだ魔裟斗。今季第一戦は盤石の闘いだった。ゴングと同時にガードの上から左右のフック。息つく間もなく上段と下段にキックを打ち分け、回転の速いパンチとキックのコンビネーションでカラコダに突け入るスキを与えなかった。
圧倒的に攻め続けたものの、2Rにはカウンターの左ストレートを立て続けにもらう。「さすがボクシング世界王者だけあってキレのある良いパンチで3発くらいはききました」。それでも元ボクシング世界王者を相手に真っ向からのパンチ勝負にこだわった。
ただ「パンチは全部見えてた」と言うように、その後は有効打を食らうことなく、相手の攻撃はすべて見切っていた。そして3R開始早々に訪れたチャンスをモノにする。相手のガードが下がったところに、鮮やかな右フック一閃。カラコダのアゴにクリーヒットさせるや一瞬でマットにごう沈させた。
決戦前には元ボクシング世界王者からパンチでの顔面破壊を予告されたが、逆にKOしてみせた魔裟斗。反逆のカリスマの名にふさわしい闘いで今年も好スタートを切り、試合後はマイクを握って「今年はやるよ。チャンピオンになるからみてて」と王座奪還を宣言。その上で「次は佐藤かな」と、開幕戦前から再三挑発してきた佐藤を逆指名してみせた。
きょう10日に都内で行われる準々決勝の組み合わせ抽選会を前に、佐藤への対戦を促した魔裟斗だが、実は佐藤の「抽選会で魔裟斗選手の横に行く」発言にかなりイラついていた。魔裟斗は「アイツがああやって言うから周りにイチイチ報告されて正直うっとおしい」と語気を荒げて説明するや「来るなら来いって。いまのオレはヤバいからマジで倒すよ」とまだ対戦が決まっていないにもかかわらず臨戦態勢だ。
それどころか「いい加減ヤ(殺)ルよ」と佐藤抹殺まで宣告してみせた魔裟斗。果たしてきょう行われる7・7日本武道館大会のベスト8組み合わせ抽選会で2人が激突することはあるのか、日本人ツートップの抗争ぼっ発によりMAX戦線がヒートアップしてきた。