そこで、問題になってくるのが、先祖代々の墓をどうするかです。そのままにしておけば、守ってくれる人もいないまま、荒れてしまい、最終的には無縁仏になってしまいます。
そう考えると、先祖代々の墓を新しい墓に引っ越す(改葬)のが一般的です。その場合、古い墓は「墓じまい」をしなければなりません。遺骨を取り出し、墓石を撤去し、さら地にして、管理者に返す必要があります。
改葬については、「お墓の引っ越しはどうしたらいいの?」の項を参照していただくとして、問題は墓の撤去をどうするかです。これは、石材店でもやってくれるところがありますが、実は「墓じまい」を専門とする業者があるのです。
それらの業者では、墓石の解体や運搬も行ってくれ、「墓じまい」のためのトータルサポートをしてくれます。
撤去費用は1平方メートルあたり、10万円程度が相場といわれているが、パック料金を設定している業者もある。
関東地区で「墓じまい」のサービスを提供するA社によると、「本来、墓は先祖代々継承していくのが理想でしょう。ただ、どうしても『墓じまい』をしなければならないケースが増えてきたようです。いちばんの理由は少子高齢化や核家族化が進んだことだと思われます。ただ、先祖代々の墓を『しまう』というのは簡単なことではありません。親族間でしっかり話し合いをもたないと、あとあとトラブルになりかねません」と話す。
改葬に伴って、「墓じまい」する時は慎重に、よく検討してから進めたいものだ。
(山本 生道)