search
とじる
トップ > 社会 > お墓の引っ越しはどうしたらいいの?

お墓の引っ越しはどうしたらいいの?

pic pic

石材店選びは慎重に!

 遠方にある先祖代々の墓の引っ越しをしたいと考えている人は、少なくないのでは?

 たとえば、九州に実家がある人が上京し、所帯を持って東京に永住することになったとする。すでに、実家の両親は他界してしまったが、遠方であるため、なかなか墓参りができない。若いうちはまだいいが、だんだん年を取っていくと、遠距離を移動しての墓参りもおっくうになってしまい、墓が荒れてしまいかねない。そこで、検討したくなるのが墓の引っ越し(改葬)だ。

 改葬する場合、諸手続きが必要だ。まず、移転先の墓の管理者から「受入証明書」を発行してもらう。次に、現在、墓がある市区町村の役所で「改葬許可申請書」をもらい、現在の墓の管理者に署名・捺印をもらうか、「埋葬(埋蔵)証明書」を発行してもらう。それを、現在の墓がある市区町村の役所に提出し、受理されると、「改葬許可証」が発行される。そして、現在の墓の管理者に「改葬許可証」を提示し、遺骨を取り出し、「閉眼供養」を行う。

 それが終わると、移転先の墓の管理者に「改葬許可証」を提出し、「開眼供養」を行って、納骨するという段取りになる。

 改葬の場合、現在の墓石をどうするかは考えどころ。移転先で新たに墓石を作る際は、現在の墓石を解体・廃棄しなければならない。墓石をそのまま使う場合は、石材店に依頼して運搬してもらうことになる。

 費用は墓石をどうするかにもよるが、単純に新たに墓を建てる時よりかかるため、地域にもよるが首都圏に引っ越すなら、新たな墓の購入費を含め、200〜300万円くらいかかると見ておいた方がいいだろう。

 そこで、注意しなければならない点がある。東京都内の石材店によると、「現在の墓が公営、民営の霊園にあればいいのですが、お寺さんにある場合、高額な『離檀料』を請求されることもあるようです。少子化により、寺も檀家が減っていますから、死活問題なのです。ただ、それが数百万円とかになると法外です。法的には宗教の自由が保障されていますから、寺院側は改葬を拒否することはできません。ですが、なるべく穏便に、ことはすませたいものです。事後報告のような形で、寺院に話すと、態度を硬化されて、高額な離檀料を請求されることにもなりかねませんので、改葬をしたい時は、事前に寺に相談するのが望ましいようです」と話す。

 また、新たに墓石を作る場合、現在ある墓石を解体しなければならないのですが、本来、それは産業廃棄物として処分されなければなりません。ところが、なかには悪質な業者がいて、解体した石材を不法投棄して社会問題になることもあるようですので、信頼できる石材店を選ぶ必要があります。

(山本 生道)

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ