主役として臨んだ、昨年11・8両国でのK-1 MAX世界トーナメント・ファイナルでは、決勝に進みながら、ジョルジオ・ペトロシアンに敗れ、世界制覇はならなかった。おまけに、同大会のTBSでの視聴率は、“K-1史上最低”の7.6%。しかも、瞬間最高視聴率を記録したのは、トーナメント決勝戦ではなく、MAXとは関係がない石井慧VS柴田勝頼戦だったとあって、K-1関係者をひどく落胆させた。
プロである以上、実力だけではなく、人気も重要な要素。そんななか、佐藤より格下と思われた長島☆自演乙☆雄一郎が、昨年大みそかの「Dynamite!!」でDREAMライト級王者の青木真也をMIXマッチで破り、ブレイクの予感を漂わせているだけに、佐藤の尻に火が点いたのは確か。
11年の初戦となったKrush1・10後楽園では、シェムシ・ベキリに2-1の判定で辛勝した佐藤。今年上半期は海外マットに軸を置くことを明言。3月にはイタリアで因縁のペトロシアンへの雪辱戦も視野に入れる。
人気の点で劣るなら、誰も文句の付けようがない強さを見せるしかない。“K-1史上最低視聴率男”のらく印を押された佐藤は、海外で己を鍛え直す腹づもりだ。
(ジャーナリスト/落合一郎)