厚生労働省は、女性1人が生涯に産む子どもの数の推計値である合計特殊出生率(2008〜2012年)の市区町村別平均値を発表した。
調査は1983〜1987年分から始まり、5年に1度で今回が6回目。2010年の国勢調査から得た人口に基づき、2012年12月末時点での1888市区町村を対象に、5年間の平均出生率を算出した。全国平均は1.38だった。
栄えあるトップになったのは、鹿児島県奄美諸島・徳之島にある大島郡伊仙町で2.81と断トツ。2位は沖縄県島尻郡の久米島町で2.31。3位は同県宮古島市の2.27で、トップ3を南国の離島で独占。
以下、4位=沖縄・国頭郡宜野座村=2.20、5位=長崎・対馬市=2.18、6位=鹿児島・大島郡徳之島町=2.18、7位=沖縄・国頭郡金武町=2.17、8位=沖縄・石垣市=2.16、9位=長崎・壱岐市=2.14、10位=鹿児島・大島郡天城町=2.12の順。
トップ10のうち、8自治体が沖縄、鹿児島両県で占め、また宜野座村、金武町を除く8自治体が離島だ。
11位以降も傾向は変わらず、上位30位まで沖縄、鹿児島両県の自治体が23。他の7自治体は長崎2、熊本2、福岡2で、本州では滋賀県栗東市(28位=1.99)が1自治体のみ入っただけ。離島は25自治体を占めた。
その理由は定かではないが、厚労省では「島は地域ぐるみで、子育てをサポートする環境が整っているのでは」と推察している。
逆に出生率ワースト1位は京都市東山区で0.77。以下ワースト10は、2位=東京都豊島区=0.81、3位=大阪府豊能郡豊能町=0.82、4位=東京都中野区=0.85、5位=東京都新宿=0.85、6位=東京都目黒区=0.86、7位=福岡県福岡市中央区=0.87、8位=東京都渋谷区=0.87、9位=北海道札幌市中央区=0.90、10位=大阪市浪速区=0.90となっており、都市部の低さが目立った。
(蔵元英二)