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京都の焼き肉店が禁止されている生レバーを客に提供し摘発される

 京都府警は10月15日、客に牛のレバーを生で提供したとして、京都府八幡市内の焼き肉チェーン店「まるなか京都男山店」の運営会社「丸中精肉店」(大阪市阿倍野区)の社長の男(53=大阪府大阪市旭区)と、店長の男(45=同府枚方市)の2人を逮捕した。

 厚生労働省が昨年7月、牛の生レバーの提供を禁止して以降、違反者が摘発されるのは全国で初めてのこと。

 逮捕容疑は8月30日、同店で客の高校生ら9人に、禁止されている牛の生レバーを提供したとしている。

 関係者によると、9人のうち6人が生レバーを食べ、そのうち4人が食事後、嘔吐(おうと)や発熱などの症状を訴えて、男子生徒(17)1人が入院。病院側がカンピロバクター菌を検出し、9月上旬、府山城北保健所に連絡して発覚した。

 社長は「客に焼き肉用だと言うよう店員に指導した」と容疑を否認しているが、店長は「生レバーを提供したのは間違いない」と認めている。従業員は「『焼いて』と客に言ってないし、指導も受けてない」と話しているという。

 同署の調べに、ある常連客は「何度も店で生レバーを食べたことがある」と証言。同店では表向きは、焼き肉用を装いながら、実際には生食用として、提供することが常態化していたとみて調べている。

 12年7月に消えたはずの牛の生レバーは、摘発された同店に限らず、表向きは焼き肉用として出され、客が生で食べることを黙認する「脱法レバー」などとして出回っている実態があるもよう。

 生レバーをめぐっては、11年4〜5月に5人が死亡した「焼肉酒家えびす」のユッケなどによる食中毒事件がきっかけとなり、厚労省が食品衛生法に基づく規格基準を改正。12年7月から、牛の生レバーを生食用として販売、提供することを禁止した。

 焼き肉店や客側には、「新鮮で適切な調理をすれば安全」との認識があるようだ。だが、厚労省によると、牛レバーの内部には少量でも死に至ることもある病原性大腸菌がいる可能性があり、菌は中心部まで75度で1分間加熱すれば死滅するが、生の状態で殺菌する方法は確立していないという。
(蔵元英二)

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