その1つ目が「●●は不安よな ××動きます」というもの。例えば、北九州の永明寺住職がTwitterでつぶやいた、『衆生(しゅじょう)は不安よな。阿弥陀 動きます』というツイート。つまりは民衆のために阿弥陀が救うという意味だ。また、学生の間では『明日のテスト、ノー勉(※勉強しないこと)は不安よな。(自分の名前)、動きます』というつぶやきも多発した。
このルーツとなったのが、ダウンタウン松本人志だ。吉本の闇営業騒動の中、後輩芸人を救うべく、「後輩芸人達は不安よな。松本 動きます」とTwitterでつぶやいたことから広まった。
2つ目は、主に「ほんまに」「正直」「めっちゃくちゃ」「真剣に」「改めて」「結果」といった短い言葉で「一人語りする」構文だ。例えば、
「包み隠さず言います。コンロ、めっちゃ焦げてるんですね。真剣に煮物作ってたら、吹きこぼれて。これはヤバいなって。結果、真っ黒なんですね。この焦げはどうやったら落ちるんだろう、真剣に考えました。めっちゃ向き合って、重曹、買いました」というものだ。
この構文のもとになった張本人が、婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』(Amazonプライム・ビデオ)に出ていた友永真也氏だ。彼は20人の婚活中の女性から、ある一人を選んだものの、その後、彼女とは1か月で別れ、途中で脱落させたはずの女性と交際し炎上した。そんな彼の独特の語りは「友永構文」と呼ばれ、ユーザーは思い思いの構文をネットに書き綴った。
3つ目が、「年が明ければ、令和2年」「最近ね、分かったことがあるんですよ。太陽が出ているから昼、隠れているから夜なんです」「ジャパンライフというのは日本の生命、つまり命なんだと、思いますよ」など、特に繰り返す必要のないことを反復したり、当たり前のことを大げさに言う構文だ。
これは「言語明瞭、意味不明」と評される小泉進次郎環境大臣がルーツ。環境問題について「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている」と、無意味に演説ぶるというものだ。今年は誰の、どんなフレーズが「構文」になるのだろうか?