勝って菊花賞という路線が王道だが、規定路線にこだわっていないのは外国産馬ゆえ。そして、堀師のポリシーでもある。指揮官は秋の天皇賞もしっかり見据えている。
南半球産のロックは正確にいえばまだ2歳(誕生日は9月29日)。そうした年齢的なハンデを背負いながら、3戦3勝は大物の証しだ。堀師は「まだ体が緩いところがある」と認めた上で、「精神的に大人びているし、(素質に)体が追いつけばもっと良くなる」とプラスアルファを強調する。
セントライト記念は、ひと夏(約2か月半休養)越してどれだけ成長したか、その成果をお披露目するレースでもある。今夏は記録的な猛暑が続いたが、師は「放牧でリフレッシュできたし、帰厩後はクーラーのある厩舎で順調に夏を過ごせた」と、文字通り涼しい顔。臨戦過程は寸部の狂いがない。
相撲の世界では、格下とやるケイコは“体慣らし”というそうだ。その点、中間、格上のキンシャサノキセキ(古馬オープン)に胸を借りてきたケイコの中身は濃い。先々週、先週と続けて0秒4の遅れをとったが、これは想定内。「久々の分、反応が鈍かったが、今週やれば良くなる」と堀師は余裕しゃくしゃくだ。 ここはサクセスストーリーの序章にすぎない。
【最終追いVTR】芝コースでライモン(500万)と5Fから併せ馬。いつも通り終い重点だったが、直線、軽く仕掛けられると大きなストライドで鋭伸。楽な手応えで併走馬に1馬身先着した。ひと夏を越してさらに成長した感がある。