陸くんは宮迫と11年、映画『リアル・スティール』のテレビCMの吹き替えで父子共演を果たしていた。その後は目立った活動をしていなかったが、中学2年生でお笑いコンビを結成。高校生でメキメキ頭角を現していた。
「コンビ名は、フライドポテト。去年は『ハイスクールマンザイ 2018』の関東代表になっていて、その前年には『お笑いインターハイ2017』で初優勝。若手お笑い業界で知られた存在で、今年4月から大学生。お笑いサークル『STRIP GUN CLUB』に所属して、月3〜5本ペースでライブに出ています」(女性週刊誌の芸能記者)。
すでにYouTubeアカウントを開設しており、Twitterもやっている。6月に出演したトークライブのタイトルは皮肉なことに、雨上がりの冠番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系)をパロった『タカトーーク!』だった。
陸くんは若いこともあり、親の七光りを隠したデビューだった。しかし、親族が偉大すぎて幼少期からテレビに出演したため、隠すことさえままならなかった芸人もいる。上方演芸界のトップに君臨する姉妹漫才師の海原やすよ・ともこだ。
祖母と父は元漫才師で、母はマジシャンという芸能一家。祖母の元漫才師・海原小浜(故人)さんの事務所社長の勧めで芸事を始めたのは、やすよが4歳、ともこが8歳のとき。プロとしてのキャリアは27年。今では大阪のおばちゃんの心をワシづかみにしている視聴率クイーンでもある。上方漫才の最高峰『上方漫才大賞』の大賞を12年と17年の2度にわたって手にした国内唯一の女性漫才コンビだ。
関西の二世芸人の成功者には、月亭八光もいる。偉大なる父は、上方落語協会顧問にして現役落語家の月亭八方。昨年、芸歴50周年の節目を迎えた。長男で弟子でもあるのが、八光。同じく弟子には、元ピン芸人の山﨑邦正改め月亭方正がいる。
やすとも、八光は関西のカリスマだが、二世芸人でも才能のなさに限界を感じて、そそくさと引退した者もいる。村上ショージの愛娘はそんなひとりだ。
芸人デビュー時は「バターぬりえ」だったが、のちに「ぬゅぬゅゅゆゅゅゅゅゅ」に改名。バターぬりえだった頃の13年8月、TBS系バラエティから派生した『あらびき団presents あら−1グランプリ2013』の初代チャンピオンに輝いたが、現在は芸人を廃業。女優に転向している。
芸歴34年のダチョウ倶楽部・肥後克広の息子も、かつては芸人だった。同じ太田プロダクションに在籍していた「ドレミ倶楽部」の肥後DNAだった。だが、日の目を見ることなくコンビは解散。肥後は表舞台から姿を消した。
芸人で飯が食えるのは、ほんのひと握りの厳しい世界。ダークなイメージが付いた宮迫の息子には、今の苦境をバネにしてほしいものだ。
(伊藤雅奈子)