「お恥ずかしながら野良犬先生に野放しにされてしまいました」。公開練習の開始予定時刻の午後1時を20分ほど過ぎたころ、日高が集まった報道陣に困惑した面持ちで切り出した。
この日、AWAジュニアヘビー級王座奪還のため、野良犬の異名を持つ元WKA世界ムエタイライト級王者の小林氏と野良犬殺法の最終調整を行う予定だった日高だが、肝心の野良犬先生は「日にちを間違えてました」というイージーミスで結局姿を現さずじまい。
「野良犬先生と練習できる最後の日だったのに、すっぽかされた。あー、クソッ!」。そう吐き捨てると、未完成の新技「野良犬BK(バックキック)」を後輩の高西翔太にブチ込み、八つ当たり。まるで野犬ごとく「ウゥー」と牙をむき出し、ナーバスになってしまった。
王座奪還に向けて暗雲が立ち込めた日高。大一番を前にとんだ醜態をさらしてしまった。