だが、かつてのアイドルブームとは大きく違う部分がある。AKB48というブランドで惹かれてついたスポンサーも、AKB48のメンバーの顔をまったく知らないのだ。酷い話になると、スポンサーの広報担当のお偉さんがAKB48とアイドリングを取り違えていたという逸話もあるぐらいだ。つまり、アイドルの顔が先導するブームではなく、AKB48というブランドが先行するAKB48ブランドブームなのだ。
この空前のブランドブームの中で、ノーブランド・無印良品として苦戦しているのがグラドルを抱える各プロダクションである。グラビアを持っていた各雑誌が続々と廃刊し、ただでさえ活躍の場が減っているうえ、その残った仕事もAKB48に奪われているのだからたまらない。
各社必死に生き残り対策を練っているのだ。こまめな(パンチンコ屋やスーパーの開店、商店街のセール)イベントや、地方営業によるサポーター増加作戦、熱狂的なファンたちを集めた撮影会での貴重な現金収入、ツアーや誕生会による現金収入、ファン倶楽部や親衛隊を使ったファンの増加戦略など。
もはや、グラドルはドブ板選挙並みの足と汗で稼ぐ地道なビジネスになってしまったのだ。給料が3万から5万円という薄給グラドルも多数おり、とんでもない不況状態 になっている。
AKB48ブームの猛攻を凌ぎきった数年後、グラドル界の中から、本物のスーパーアイドルが生まれると言われているのだが、果たして何人が生き残ることが出来るだろうか。各プロダクションの知恵の見せどころである。