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自衛隊イベントに突撃取材

 自衛隊駐屯地で、一般開放される各種イベントが開催されているのをご存じだろうか。自衛隊を肌で感じられる貴重な機会なので、地元の家族連れや遠方からはるばるやってくるミリタリーマニアらでにぎわう。首都圏からアクセスのよい陸上自衛隊、航空自衛隊の各イベントを取材した。

 陸自の土浦駐屯地武器学校(茨城県土浦市)で第58回創立記念行事が開催されたのは先月のこと。同校は後方支援部隊などの指揮官、幕僚を養成し、各種装備品の整備員を毎年約800人育てる。破損、故障した戦車を素早く修復するなど“武器のドクター”ともいえる重要な任務で、記念行事もまたその性格を色濃く反映していた。
 満州事変(1931)で実用配備された初の国産「89式中戦車」が会場を走る。動く89式を見られるのは武器学校なればこそ。会場から大きな歓声が上がった。ミリタリーマニアの男性は「これを見るために栃木から来たんです」と目を輝かせた。
 実際の戦闘を想定して行われた模擬戦は大迫力だった。74式戦車と90式戦車が配置されるや、続けて歩兵部隊を投入。後方から155ミリ榴弾砲FH70、120ミリ迫撃砲が援護射撃を始めた。もちろん空砲だ。しかしFH70が砲撃すると会場がどよめく。爆音で泣き出す幼い子供もいた。やがて74式戦車、90式戦車が敵の攻撃によって故障したという想定に…。
 ここからが武器学校の腕の見せどころだ。「バタバタバタ…」とプロペラの音を響かせながら軍用ヘリコプターが出現した。上空50メートル地点から隊員6人がロープで降下。故障戦車を手際よく修理する。戦車は再び砲撃を開始。歩兵部隊は匍匐(ほふく)前進で敵陣地に乗り込み、奪還に成功。一連の流れはすばやく正確。さすがにプロフェッショナルであった。
 次は航空自衛隊のイベント。今月3日、埼玉県狭山市にある入間基地で第41回入間航空祭が開催された。当日は雲ひとつない快晴。まさに“航空祭日和”だ。開場前から最寄り駅の西武池袋線・稲荷山公園駅には長蛇の列ができた。家族連れや航空自衛隊ファンなど22万人が訪れた。

 航空自衛隊アクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」は、飛行展示部隊として全国の飛行祭などでその美技を披露している。
 開始時間前には基地内のエプロン地区(燃料の補給、簡易な点検整備などのために航空機を駐機する場所)は観客でぎっしり埋め尽くされる。
 最初の演目は4機が密集しながらダイヤモンド隊形での水平旋回を行う「ファン・ブレイク」。続いて会場正面の高い位置から5方向に降下散開を行う「レイン・フォール」。5機が隊形を保ったまま宙返りする「デルタループ」、一枚の板のように横転する「デルタロール」など難易度の高い技を次々に披露。
 観客も忙しい。上空を見上げながら必死にブルーインパルスを追う。演目は360度、どの方向のどの角度から進入してくるか分からない。一瞬の油断もできないのだ。
 最後は伝統の演目であるローリング・コンバット・ピッチ。これは斜めに隊列を組んだエシェロン隊形から編隊を解散しつつ、一列に並び後方の機体になるに従い高度が下がるトレール隊形への変換をするもの。会場からは大きな拍手がわき、華麗な航空ショーを締めくくった。
 しかし、終わったからといってマニアたちに帰る様子はない。燃料補給するブルーインパルスの前に名残惜しそうに集まってきた。松島基地(宮城県東松島市)へ帰還するため飛び立つ瞬間が最後のシャッターチャンスなのだ。午後3時半すぎにブルーインパルスが離陸すると、機体が見えなくなるまで無数のフラッシュがたかれた。
 これほどまで自衛隊がマニアを魅了するとは正直、驚いた。東京から来た20代の女性は「爆音を聞いただけでドキドキします」と興奮冷めやらぬ様子で話す。女性ファンがいるなんて、なんだかずるい! っていうか、うらやましい!
 ナマの自衛隊はさすがに迫力がある。野次馬根性丸出しで、一度近隣の駐屯地のイベントをのぞいてみては?

◎自衛隊イベントで恋人募集!?
 入間航空祭では、会場内掲示板に複数の男性自衛官の顔写真とプロフィールが張り出されていた。人気投票らしくそばに投票用紙がある。質問項目は「友達にしたいのは?」「足が臭そうなのは?」といった変化球のほか、「あなたのNO1は?」と直球も。ナンバーワンと連絡を取りたい人のためにメールアドレスを記入できるようになっていた。
 掲示板には若い女性が群がり、大空を舞台に活躍する航空自衛官のモテモテぶりが垣間見られた。

◎手荷物チェック
 イベントには基地の門が開く前から多くのファンが詰め掛ける。しかし、時間が来たからといって簡単には入れてくれない。手荷物チェックや金属探知機によるチェックを受ける必要があるのだ。当然ながら、門の前には長蛇の列ができる。事情通によると「米国での同時多発テロ以降行う基地が増えた」とのこと。戦車や戦闘機が多数置いてある基地である。安全に見学するためにはやむを得ない措置だろう。

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