WBC 原ジャパン誕生余波 Gナイン不協和音!?

　巨人の原辰徳監督が28日、来年3月に開催される野球の国別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督就任を正式に受諾した。巨人は6年ぶりの日本一奪回に向け、士気を高めている最中。この決定は日本シリーズを控える選手たちに影響を及ぼさないのか。原ジャパン誕生の余波を追った。

　WBC2連覇はセ・リーグを2連覇した男に託された。
　この日、日本プロ野球組織(NPB)の加藤良三コミッショナーから受けた原監督の日本代表監督就任要請を、巨人の滝鼻卓雄オーナーが了承した。
　その後、原監督が川崎市内のジャイアンツ寮で加藤コミッショナーと会談し快諾。正式にWBC代表監督に就任が決定した。
　原監督は「野球人として、日本代表というのは誇りであり、憧れですから。自分の持てる力をしっかり出して、強いチームをつくる力になりたい」と抱負を述べた。
　コーチの人選をめぐっては、早くも野球評論家の鹿取義隆氏などの名前が挙がっているが「今は日本シリーズのことで頭がいっぱいですから、それが終わってからになります」との見解を示した。
　コーチ、代表候補選手の選出は日本シリーズ後に本格始動する。それでも「世界中から日本代表を強くするんだという選手に集まってもらいですね。ファンと選手、われわれコーチが一丸となって団結して戦うのが日本の素晴らしさだと思う」。早くも海の向こうの日本人メジャーリーガーたちにラブコールを送った。
　だが一方では、西武ライオンズとの決戦を控える巨人の監督でもある。
　きょう29日から巨人は日本シリーズ(11月1日開幕、東京ドーム)に向けて練習を再開したばかり。この“電撃就任”は選手たちに影響は出ないのだろうか。北京五輪代表選手の阿部慎之助捕手は、原監督が就任したことに「難しいな。わかりません。大変だろうなと思う」と苦笑いを浮かべた。第1回WBC日本代表でもある小笠原道大三塁手も「(チームの)置かれている状況が置かれている状況だけに…」と困惑のしている様子だ。
　それでも「日本シリーズを気持ちよく勝って、WBCに向かってほしい」(阿部)、「まずは日本シリーズ全力で」(小笠原)と原監督を男にすることを誓った。目指すは6年ぶりの日本一奪回だ。