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日本相撲協会 約49億円の大赤字も悲壮感がないワケ

 日本相撲協会は2月22日、東京・両国国技館で理事会、評議員会を開き、11年度の収支決算を承認した。経常収益は前年比29億2900万円減の63億4800万円で、経常費用は108億5700万円。経常外費用などを含めると48億8600万円の赤字となった。関係者によると、過去最高の大幅な赤字だという。

 収入の柱となる事業収入は、野球賭博問題で減収した前年より29億8000万円減の54億4400万円。昨年2月に発覚した八百長問題の影響はやはり大きかった。3月の春場所は中止、5月の夏場所は無料公開の技量審査場所となり、2場所分の本場所収入とNHKの放送権料(約10億円)が消えた。約2億円の収入源である地方巡業も中止され、相撲案内所や勧進元(主催者)への中止による損失補てんなども3億7000万円が発生した。さらに、7月の名古屋場所で正式に場所が再開されたが、客離れは大きく興行不振も響いた。

 北の湖理事長(元横綱・北の湖)は「厳しい状況と重々承知している。重く受け止めて信頼を回復し、土俵を見てもらうように進めなければいけない」と話した。民間であれば、中小企業ならまずもたない赤字額だ。大企業であっても、人件費カットなどの措置を講じなければ、会社が立ち行かなくなる。しかし、北の湖理事長は年寄や力士の報酬カットについては「今は考えていないが、そういうことを視野に入れることも大事だと思う」と述べるにとどまった。

 約49億円という巨額の赤字を計上しておきながら、なぜ、悲壮感がないのか。それは、これだけの赤字を出しても、いまだ莫大な財産を有しているからにほかならない。昨年度の赤字分は現金預金から約11億円、減価償却引当資産から約34億円などを切り崩して補てんした。

 それでも、国技館の土地、建物を含めた協会の正味財産は、まだ375億8700万円もあるのだ。今後、昨年や一昨年のような不祥事による本場所やNHKテレビ放送の中止がないかぎりは、赤字になっても、正味資産を考慮するとたかがしれている。とはいえ、このまま赤字を垂れ流すわけにもいかないだろう。健全な経営ができるよう、集客に本腰を入れるべきだ。
(落合一郎)

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