「マリリン先生、はじめまして。私は今、シンガポール支社担当で、日本とシンガポールを往復する日々です。夫と会えるのは、月に1度か2度程度でほぼ別居状態です。夫と私は同じ33歳。子供を生むなら、そろそろラストチャンスで、主人もそれを望んでいます。けれども仕事は楽しくて、子供を生んで仕事を辞めるという選択肢は考えられません。30を越してから、主人の両親からも、「孫はまだか」「せめて休みの日ぐらい女らしく家事をしては」などと言われます。家にいないほうが多いので、家事全般は夫に任せきり。最近、夫に「専業主夫」になってほしいと思うようになりました。出産後、育児・家事は夫に任せて、自分は仕事をして一家の大黒柱になりたいと思うのですが、夫に切り出せません。どんなふうに夫に伝えたらいいと思いますか?」
これが女医マリリン流カラクチ荒療治。
「私もそうですが、自分の仕事を生涯続けたいと思っている女性は、少なくありません。けれども、「仕事をしたい」=「子供もいらない」「家庭も欲しくない」「独りでいい」というわけではありません。私だってその一人。仕事は思いっきりやりたい、でも、家庭や育児を夢見たら、どうしても仕事をセーブしなければならないのが、働きたい女性の最大の悩みであり、課題でもあります。
少し話は脱線しますが、形成医学に、こんな面白いデータがあります。
男性と女性では本来、頭蓋骨の形に著しい性差があります。しかし最近、その当該骨の性差がなくなってきている、ということ。
形態的(全体的な形とか)は、まだ何とか区別できるぐらいでも、計測学的(各部位の長さ、計測値)には、ほとんど性差がなく、とくに、女性の骨の形が、男性の形に近づいてきている、ということ。 原因は不明らしいです。
女性が社会進出しているせいか。 それとも、近年の生活環境が、骨にまで影響を与えているのか。
話を戻します。男性であれば、「家庭を持ち、仕事をする」という夢を容易に叶えることができても、女性であるからという理由で、そのどちらかしか選べないのは、すごく悲しいことだと思います。潜在的なイメージとして存在する「女性はこうあるべき」「男性はこうでないとカッコ悪い」「男の(もしくは女の)プライド」にとらわれずに、それぞれのカップルが、自分たちのルールで関係を築いていくことが必要です。
相談者の彼女も、夫や、夫の両親など周囲の人の目を気にして、「仕事をする自分をサポートしてほしい」という願望を表に出せずにいます。
そこで、同じく「仕事を持つ女」である私からのアドバイス。
一度、仕事が休みの日、ご主人と一緒に飲みに出かけてください。賑やかな居酒屋などではなく、できれば、デート気分が楽しめる雰囲気あるバーなどがオススメ。
そして、あなたの考えを、思い切って提案してみてください。
もし、夫が「女なのだから、夫に家事を任せて自分は働くなんて許さない」と言うなら、あなたは、夫か自分のキャリアかを、じっくり天秤にかけてみてください。
あなただけではありません。多くの女性が、大なり小なり、仕事と家庭を天秤にかけて人生選択をしています。そして、自分の中での優先順位を決め、両者のバランスをとっています。もちろん男性だって、少し意味合いは違いますが、同じように両者を天秤にかけて優先順位を決めているわけです。
「どっちも選べません」「そんなの無理」というのはワガママ。
何か欲しいと思えば、どこかで何かをある程度我慢することが必要。大人子供問わず、その常識は変わりませんよ。
【山下真理子】
女医。岡山県出身。京都府立医科大学医学部医学科卒業後、医師免許を取得。テレビや週刊誌等で活躍する美人女医。最近では、EDGE STYLEやチャクラ、ポコチェ等、女性誌への進出も拡大している。愛のある辛口(カラクチ)女医としても有名。書籍、「女医から学ぶあなたの魅力が10倍増すセックス」(ぶんか社)が、好評発売中!
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