「何回も言いますが、ここが生まれ故郷と思ってますから」
勝利者インタビューでアピールした松本勝は、厳密にいうと坂出の病院で産声をあげ、1歳までしかいなかったというが、そう思うこと、それを発信することが、自らを駆り立てる手立てになる。初日・2日目と1走ずつして(3)(1)のシリーズ序盤。6号艇で追い上げ、1号艇でイン逃げなら、内容的にも評価ができる。特にこの日の3Rは、チルト3度で初戦にまくっている阿波勝がいて、2コースにはF2で『壁』にならない上滝和、ほかの3選手もそれぞれに決め手があって、結構プレッシャーのかかる状況だった。しかも、スローの今村豊が6コースになり、ひとりダッシュの阿波が5コースに入る、変則的な進入になった。値打ちのあるイン逃げだった。
「スリットを過ぎて外を見たら、阿波が5コースなのが分かりました。でも、相手は関係ないですからね。番組についても、枠番の不公平さえなかったら気にしません」
冷静に仕掛けて1Mも対処した。最初に『音』がいいと感じたエンジンで、現状「伸びのよさ」で戦っているが、丸亀における経験から「もっと乗りやすくなる」と思っている。当地前回の7月周年記念では、苦労しながらも最後には仕上げた。今回はより順調な序盤戦だ。それがSG、おのずと楽しみは大きくなる。
松本が快哉を上げた一方で、阿波は変則的な進入もあって大敗。後半も結果が出なかったが、その直後の4Rで浜野谷憲が強まくり、続く10Rも差して2着と、東京のエースが存在感を示した。
「まあまあのアシ。ターンのかかりはいいけど、重さがある」
とまあ、この辺はよく聞くニュアンス。桐生周年のVペラは回りすぎて使えないというが、オーシャン準Vのプロペラで「今回のほうがエンジンはいい」つまり今年のSGでは最も出ている。