トップアイドルのフルチン逮捕事件とあって、会見場がセッティングされた東京・北青山のレコード会社の会議室には、約300人の報道陣が集まった。草なぎさんは黒いスーツ姿で登場。直立不動で「たくさんお酒を飲んで、自分でも訳が分からなくなってしまった。大人として恥ずかしい行動を起こしてしまった。本当に反省しています」と深々と頭を下げた。表情は終始こわばったままだった。
釈放された当日に会見し、繰り返し頭を下げる姿には男らしささえ感じた。しかし、ちっとも男らしくないのがジャニーズ事務所。集めた報道陣に対して、テレビの生中継NGを譲らず、インターネットなどでの映像使用や画像使用を認めないなど取材条件を厳しく制限した。これをめぐり報道側と押し問答になる場面もあったという。
関係者によると、午後9時スタートの会見はあらかじめ30分と限定され、オンエア解禁時間は会見終了後の同9時半に設定された。これに対し、生中継を予定していたNHKは抵抗。結局、会見開始時刻が迫ったこともあって取材条件をのんだというが、9時の「ニュースウオッチ9」では3分遅れで中継。リアル生中継ではないものの解禁時間を破ったため、会見後に事務所から厳重注意を受けたという。
関係者の話などを総合すると、事務所サイドの主張は、会見場が狭く、報道陣をひとりでも多く入れるためには、スタッフが多くなる生中継は難しいとのこと。報道陣からは「謝罪する気が感じられない」などの声が出たという。
東京区検は同日、草なぎ剛さんを釈放した理由について「証拠隠滅や逃亡の恐れがない」と説明した。今後、在宅のまま捜査し処分を決める方針。
警視庁によると、草なぎさんは23日午前3時ごろ、東京都港区赤坂の公園で全裸になったとして、赤坂署に公然わいせつで現行犯逮捕された。逮捕時は泥酔状態だった。
草なぎさんは会見で、逮捕されたときの記憶はなかったとした。「意識がなくなっていて、次に意識があったときは警察にいた。まだ酔っていたので、夢なのか現実なのか分からないような気分で、ふわふわした感じだった」と振り返った。
過去にも飲酒についてSMAPのメンバーから注意されたことがあったといい「飲みすぎてしまったのは僕の弱さ」と語った。釈放後、メンバーに電話をかけた際、今後の活動について「またみんなで考えよう」と励まされたことを明かした。
弁護士は具体的な復帰の時期について「関係者と協議し、処分の行方を考慮しながら決めたい」としている。