会見では「野球を始めてから、メジャーリーグへの憧れはずっとプロに入ってからもあった」と、幼少期からの夢であったことを明かした筒香。またポスティングシステムを容認してくれたチームに「快く決断を尊重してくれた」、10年間声援を送り続けてくれたファンには「プレーする中、いいときもそうでないときも、毎日変わらぬ熱い声援をいただいた。横浜スタジアムを毎試合満員の中でプレーする幸せを感じていた。ファンがいなければ、今の自分はない」とし、両方に「感謝しかない」と、素直な気持ちを吐露していた。
この一報を受け、ファンも「絶対成功してほしい」「アメリカまで応援しにいく」「寂しくなるけど、筒香の夢を全力応援します」など、ベイスターズから羽ばたいていくキャプテンにエールを送っていた。
ベイスターズでは初となるポスティングシステムでのメジャーリーグ移籍を目指す筒香。過去ベイスターズに在籍し、メジャーに挑戦した選手は5人で、全てピッチャーだった。
1999年に現2軍ピッチングコーチの大家友和を皮切りに、翌2000年には大魔神・佐々木主浩、2002年には小宮山悟、2006年には斎藤隆がメジャーに挑戦。楽天経由ではあるが、2008年には福盛和男も海を渡っている。大家は51勝、佐々木は129セーブ、斎藤は21勝84セーブを挙げるなど大活躍を成し遂げた。
毎年フォームを変えるなど、常に「進化したい」との思いを持ち続ける筒香には、より高いレベルでの環境がさらなる飛躍につながるのではなかろうか。打者はメジャーで成功しづらいとのデータもあるが、横浜の先輩たちのようにぜひとも成功を成し遂げてほしい。横浜からアメリカに戦場は変わるが、空高くホームランをかっ飛ばす筒香の姿を、ファンは心待ちにしている。
写真・取材・文 / 萩原孝弘