その横須賀に、「よこすか海軍カレー」がある。明治期の日本海軍が使用した「海軍割烹術参考書」に記載されていたレシピをもとに、当時の食事を再現したものが「よこすか海軍カレー」である。
「よこすか海軍カレー」には、カレー粉と小麦粉を炒る、具には牛肉か鶏肉、ジャガイモ、たまねぎ、にんじんを必ず入れる、などのルールがある。それらルールを基本として、各店舗で独自のアレンジがなされた「よこすか海軍カレー」が提供されている。
今回、ご紹介する「よこすか海軍カレー」の店は、三笠公園入り口から道路を挟んだ向かい側にある「ポットラック(Pot Luck)」(横須賀市小川町27-24)である。喫茶店だが、「よこすか海軍カレー」も大人気とのこと。「ポットラック」は、「よこすか海軍カレー・GUIDE MAP」では、14番目に記載されている。
「よこすか海軍カレー・GUIDE MAP」は、「よこすか海軍カレー」を食べることができる店舗を紹介している。また、「軍艦マーチ付で席までお届けします」など、案内文も記載されている。三笠公園案内所他で入手できる。
「ポットラック」の「よこすか海軍カレー」は、ごはんにかけられた野菜の赤や黄、キノコの頭の黒らが鮮やかである。このトッピングは、「Z旗」をイメージして作られていた。
「Z旗」とは、船同士の意思疎通を図る信号旗の一つ。黒、黄、青、赤からなる。日露戦争の際、バルチック艦隊との決戦に挑む「三笠」のマストに掲げられた「Z旗」の意味するところは、「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」。「三笠」を「よこすか海軍カレー」で表現するにはどうしたらよいのか、試行錯誤を繰り返したすえに作られた「ポットラック」オリジナル。
青い縁取りがされた「ポットラック」の「よこすか海軍カレー」が盛られている皿には、いかりのマークが入っている。この皿は、戦艦の中で、司令長官や参謀が食事をする際に使われた。
「ポットラック」のメニューには、「東郷平八郎ビール」もある。(竹内みちまろ)