“真王者”が最強を証明するための外敵防衛ロードが幕を開ける。
3・30後楽園ホール大会でチャンピオン中邑が春のG1覇者の棚橋弘至を破ったことにより、次期挑戦者の擁立が難航していたタイトル戦。だが、この日の会見で菅林直樹社長は挑戦者に全日プロの武藤との交渉をまとめ、本紙既報通り27日の大阪府立体育会館でタイトルマッチを開催することを発表した。
急転直下で決定をみた武藤とのタイトル戦。菅林社長によれば「チャンピオンカーニバルを視察しまして、その際に武藤選手との交渉を取りまとめました」という。しかし、中邑の挑戦者擁立をめぐっては、その舞台裏でそのほかの候補との交渉も進んでいた。
「交渉していたのは武藤選手だけではありません。それこそ全日本プロレスを含む他団体の選手との話や、新日本ではバーナードでの調整も最後まで検討いたしました。とはいえ今回の挑戦者交渉によって、すでに中邑選手には武藤戦の先のオファーまで寄せられています」(菅林社長)
次期タイトル戦に外敵とのチャンピオンシップを公言していた中邑にとっては、今回IWGPのベルトというエサに食いついてきた武藤は格好の獲物でしかない。中邑は「正直信じられない。触れることのない相手だと思ってたから、びっくりしている」とし「リスクはあるけど、これに勝つことで新しいものを創造できると思っている」と、過去2度IWGPヘビー級シングルを巻いた武藤を食ってベルトの価値を高める腹積もりだ。
一方の武藤にも思惑はある様子。開口一番「チャンピオンカーニバルに棚橋が出てきて、いまの新日本を確かめたいと思った」と挑戦理由を述べた上で「オレがIWGPを持ってたときの経済効果はハンパじゃない。今回の挑戦は新日本にとっても良いことじゃないか」とほくそ笑んだ。
27日の大阪大会から始まる真王者の外敵防衛ロード。まずは至宝とともに団体の命運を懸けた武藤との一戦で、セルリアンブルーのエース中邑はどんな闘いをみせるのだろうか。