侮れない。豪華メンバーが集まった今年のJCダートだが、こと決め手の鋭さならメイショウトウコンも負けていない。最速上がり(3F)を記録するのは当たり前。昨年のエルムSではラスト3F34秒5という芝並みの切れ味を繰り出したこともある。
前走のJBCクラシックは3着。だが、3番手から進んだヴァーミリアンが勝ち、逃げたサクセスブロッケンが2着に粘った明らかな前残りの流れだ。それを後方からしっかりした末脚で追い上げたのだから、今回に十分つながる内容だった。
「スタートが悪く位置取りを下げたけど、終いはすごくいい脚を使ってくれた。小回りであの結果なら十分評価できるでしょう」と安田伊調教師はうなずいた。
今春は3月の名古屋大賞典を勝った後、2ケタ着順が続いた。しかし、夏以降はまた成績が安定し始めている。
「あのころは体調がいまひとつで、なかなか力を出せなかった。でも、この夏からはずっと調子がいいし、今は本当に充実している」。天才的な切れ味を発揮する馬によくあるムラっ気。トウコンも状態の変動が大きなタイプだったが、「体が減らなくなってきて、思うように乗り込める」と6歳秋にして完成したようだ。
実際、事実上の本追い切りとなった26日の栗東Bコースでは、6F81秒7、ラスト1F11秒7と抜群の反応を見せた。「最後はもう坂路で軽く流す程度でいい。流れが向けばチャンスはある」
先行馬がやり合えば、豪快なマクリが決まる。
【最終追いVTR】道中から馬任せのケイコで、ゴール前でも鞍上の手綱は抑えられたまま。流しただけの軽い追い切りだったが、動き自体は軽快さが光った。引き続き好調だ。