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キャバ戦記2 客が気を使うのも、また1つのキャバ文化

 サービス精神とは何だろうか? と常々、感じさせる場所がある。それがキャバクラという疑似恋愛空間だ。飲食店やスーパー、百貨店において、多少の個人差はあっても極端な差が少ないのが日本の誇るべき点である。

 キャバクラは違う。
 サービスの質という個人差が天地の差、いや天と地獄の差といっても良いほどの違いがある。もちろん高級店で教育が行き届いているようなところは、安心して楽しめるが、それは少数と思ったほうがいいだろう。別のコトバに置き換えるとキャバのサービスは「超個人差」を体験できる貴重な空間だ。

 ルックスの好みもあると思うが、その点を差し引いてもハナ(19歳・仮名)のヤル気のなさには苦労した。客が気を使う空間、それがキャバクラ特有の文化とはいえ、それはそれはかなりの気力を使う。いつものごとく、キャバ嬢を指名しないフリーで入店したので、ハナが席に着く時間は約15分程度の短い時間だ。ルックスの好みと違い、嬢のヤル気が無いため、非常に時間が長く感じ、心臓や胃が重たくなる嫌な感覚も襲ってくる。

 大部分の客は悲しことに「お金を払ってるから楽しまなきゃ」という気分が強く、頑張ってトークを盛り上げようとする。結果、それなりに話が弾んでも、それは嬢の実力ではなく、客が気を使っただけなので、嬢の実力はいつまでも向上しない。キャバ戦は楽しいだけの空間で終われば良いが、時には外れクジを引いた劣戦を強いられることもある。

 ハナ(19歳・仮名)のトークは、暗い方向へ傾きやすいので、そこを上手くフォローしなければいけなかった。決して当たりクジに変わることはないのに客が頑張る姿は、傍から見たら異様だろうな…と思いつつ、自分の表情には出さないように耐えていた。トークが終わった後は、何か憑きものが取れたような感じで足取りが軽くなった気がする。 

 キャバ戦記には敗北のチェックがまた1つ刻まれた。

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