ベスト8に進出した代表校の野球部員数は、以下の通り−−。
三重=100人
沖縄尚学=72人
聖光学院=161人
日本文理=110人
高崎健康福祉高崎=73人
大阪桐蔭=58人
敦賀気比=84人
八戸学院光星=137人
結果論かもしれないが、大所帯の高校は強い。とはいえ、地方大会に目をやれば、試合を成立させるだけの部員数も確保できず、近隣校との連合チームを形成した高校もある。連立チームの大会予選参加数は“微増”している。また、高野連が発表した『野球部員数統計』によれば(硬式)、平成26年の加盟校数は、4030校。平成17年の4253校をピークに減少傾向にある。同様に、全国の野球部員数を見てみると、今年は17万0312人。昨年の16万7088人から増えている。加盟校数のピークだった平成17年の全国の野球部員数は16万5293人。しかし、10年前と比べ、高校生全体の人数は約70万人も減っている。学校そのものの数は減っているが、野球は男子高校生にとって、まだまだ人気の高いスポーツなのである。
こうした高校野球人口から考察できるのは、特定の高校に野球部員が偏っていること。全国平均で見た『1校当たりの平均野球部員数』は、42.3人。優勝した大阪桐蔭の大阪府は45.7人で、準優勝・三重高校の三重県は42.9人。北海道、岩手、福島、富山など30人台の府、県もあった。しかし、大阪桐蔭、三重両校は府・県の平均人数の2倍以上の部員数を持っており、「強い高校=大所帯」のイメージは否めない。
外野の勝手な意見だが、野球部員の少ない高校に行った方が試合に出られると思うのだが…。
都内私立高校の監督が『大所帯の野球部』について、こう述べていた。
「学校側が無責任に有望な中学生をたくさん集め、レギュラーを争わせることでチームを強化することはしません。大会中はともかく、ふだんの練習でレギュラーと補欠を差別するような高校もありません。部員数が多いことは入学前に説明していますし、それでも、この高校で野球をやりたいと思った子ばかりですよ」
特待生に関しては学年ごとに人数制限を設けているので、野球部員を不正に集めることはできない。
大所帯での練習法だが、同私立校監督によれば、チームを何組かに分け、打撃、守備、基礎体力、走塁の各練習をローテーションさせるなどしてグラウンド稼働率を高め、全員に平等な練習機会を与えているという。
今夏は強豪・有名校が初戦敗退するハプニングも見られた。有望な中学球児が『学校名』ではなく、各高校の指導者や練習スタイルを吟味し、自分に合った進路選択を行ったからである。地方、公立、新興の高校が、たとえば元プロ野球選手の指導者を招聘するなどし、魅力的な野球部を作れば、全国で勝負するチャンスも生まれるのではないだろうか。
※部員数は取材陣に開示された資料より引用いたしました。