学生なら「誰もが通る道」だが、そんな通知表を学生が遠隔で改ざんするという信じがたい事件が発生した。
事件があったのは新潟県長岡市の中学校。3年生の男子生徒が、9月から10月にかけ、自宅のスマートフォンから事前にパスワードを入手。学校のタブレット端末にアクセスし、学校のサーバーに侵入。自分の成績を書き換えていた。
詳細はまだ明らかになっていないが、タブレット端末への侵入や学校内のサーバーに侵入するスキルを持っていたことは明らか。事案は学校側が異変に気が付いたことで発覚。結果、男子生徒の犯行であることが発覚し、不正アクセス禁止法違反で18日までに書類送検された。
男子生徒は取り調べに対し容疑を認め、「親にいい成績を見せたかった」などと話しているという。理解できない発言ではないが、自分勝手と言わざるを得ない行動だ。
この衝撃的な事件に、「今どきの中学生は怖い」「ハッキングの知識を身につける能力を勉強に回せばよかったのでは」「この中学生の将来が心配される」などの声が。また、「学校のセキュリティ体制が甘すぎる」「中学生に簡単に入られるようなサーバーで大丈夫なのか」と管理体制に疑問を示す声も出た。
このような事件が起こってしまったことは事実。昨今の中学生はPCスキルが教諭よりも高いことも多く、防ぎ切れていない現状がある。今回事態に気が付いたため事なきを得たが、仮に改ざんした通知表が正しいものとして世に出れば、真面目に授業と試験勉強に励んだ生徒が馬鹿を見ることになるだけに、許されない。
再発防止のため、各学校が管理体制を見直す必要がある。
文・櫻井哲夫