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オリンピック終了で本格化する『阪神』の監督問題

 「オリンピックが終わって、これから先、どうするんだ!?」−−。関西からそんな悲鳴も聞こえてきそうだ。阪神、オリックスは優勝圏内から脱落しており、このまま行けば、クライマックスシリーズ進出の“3位滑り込み”も難しいだろう。スポーツメディアのトップニュースはオリンピック速報だったが、関西の主役と言えば、阪神タイガース。その阪神が横浜DeNAとの『最下位争い』から抜け出せないようであれば、関西系のスポーツメディアは、阪神、オリックスの監督問題を取り上げなければならない。

 「今年、シーズン最後まで指揮を執らせるのか?」
 「愚問やな…」
 これはロンドン五輪が開幕して間もない7月30日、坂井信也・阪神オーナーが電鉄本社前で報道陣に囲まれたときに答えたもの。この時点で、首位巨人との差は「18.5ゲーム」。言い換えれば、「和田(豊=49)監督との契約は3年だが、このままでは済まないだろう」といった空気がチーム内外に漂っていたわけだ。
 関西方面で活躍するプロ野球解説者の1人が「一般論として」と前置きしてから、こう説明する。
 「若い和田監督を1年で切るようでは球団としての未来はない。でも、この成績では『来年も同じコーチスタッフで』というわけにはいかんでしょう…。若手が伸び悩みはスカウティング、育成、選手起用など全てに問題があるからで、根本的なチーム改革が必要だと思う」
気になるのは、「現体制で来年も戦うことにはならない」という粛清ムードである。
 「コーチスタッフの入れ替えを行い、ファンに『新体制』で仕切り直すというポーズを見せることになると思う」(球界関係者)

 そう言われてみれば、気になる『報道』があった。まず、和田監督と南信男・球団社長が会談の場を設けている。首位巨人との3連戦前、それも“遠征先での緊急会談”ということで、報道陣にも緊張感が走った…。
 「会談の内容? 今後の戦い方を含めていろいろ。内容はいえない」(南社長)
しかし、その直後、阪神の内角改造案が一部メディアで伝えられた。ターゲットは、有田修三ヘッドコーチ(60)だった。
 「監督を辞めさせられないとき、標的にされるのがヘッドコーチ。まあ、そういうときにヘッドコーチがいると言っても過言ではない」
 前出のプロ野球解説者はそう苦笑いしていた。

 有田ヘッドコーチを標的とした報道には、『熱意』『闘争心』が表に出ない言動が挙げられていた。しかし、同ヘッドコーチはソフトな語り口で、どちらかと言えば『理論派』のタイプだ。そういう性格を分からないで入閣要請したとは思えない。まさにチーム低迷の犠牲者である…。
 「後任? 外部招聘になると思われます。現コーチスタッフで和田監督がもっとも信頼を寄せているのは、二軍の中村豊コーチ。和田監督もコーチを組閣する際、一軍に置こうとしましたが、一軍のベテラン野手に睨みを利かせられるまでの指導キャリアがないのでフロントが反対したんです。『若い和田監督をサポートする』というスタイルで、外部から年長のOBを招聘することになると思われます」(前出・関係者)
 有田ヘッドも「若い和田監督をサポートする年長者」という名目だったと思うが…。
 いずれにせよ、関西系のスポーツメディアは人事問題で埋めつくされそうである。

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