−−復活ステージ2位通過のBブロックは、優勝者のハリウッドザコシショウさんがいました。荒れに荒れたブロックで…。
「荒れた(笑)。まぁ、そうですね。僕は外にいたんで、ザコシショウさんのネタは観てないんですけど、スタジオに着いた瞬間、笑いの余韻がまだ残っていたので、これはむずかしいかもしれないなって思いましたね。結果、あの“キャンタマ”のネタ(※)では、今までで一番ウケなかった」
−−ただ、R-1余波による変化があったのでは?
「そういうことが、ないんですよ。目に見えて仕事がジャンジャン増えたとか、収入が増えて生活が安定したとかはないですけど、芸人から褒めてもらえる、そういう小さな幸せがありますね。準決勝でも“キャンタマ”のネタをやって、ほんとに手応えがあって、イケると思ったんですけど、落ちてしまった。つまり、このネタはダメと判断されたわけですけど、それでも復活ステージでやったんですね。仲間の芸人はみんな、ネタを変えてくると思ったみたいなんですけど、結果的にそれで決勝戦に行けた。みんなから、“ロックだね”って言われました。生まれて初めてですよ、“ロック”なんて言われたの(笑)」
−−ルシファーさんといえば、下ネタというイメージが強いです。こだわりがあって、やっているんですか?
「これはもうナチュラルに、思いつくことの8割が下ネタだからです(笑)。バカバカしい、そういうところに焦点を置いているので。こんなこと言うと語弊がありますけど、わりといつもイヤらしいことを考えているので、ネタはいつでも思いつきますね。この前も、スーパーで買い物をしてて、生姜を見つけて、“ヤラしい形してるなぁ。ネタになるなぁ”って作ったのが、“R-1”の3回戦でやったネタ。んー、エロとか変態というより、スケベなおじさん(笑)。変態的な刺激がほしいわけではなくて、私生活はノーマルですよ。めざしているのは、下品ではないエロ。女子でも笑える下ネタなんで」
−−そもそもなんですが、最終学歴が大学院で、就職もされてからの、芸人転身なんですよね。思いきった決断で。
「27、8歳でこの世界に飛びこんで、僕はいいんですけど、両親が…。私立の理系の大学だったんで、学費で1,000万円とかかかったと思うんですね、仕送りもあったし。なのに、卒業して、会社に入って、10か月ぐらいで辞めて。やっと安心できた時期に。当時、親は半キレ気味で、その後徐々にあきらめていった感じでしたけど、今回の“R-1”で、実家のほうにすごい電話がかかったらしくて。2日後に母親からメールがあったんですね。入りは、“まだお米、ある?”みたいな。“ところで、アールワン観ました”と。アールワンは、カタカナで(笑)。“全国ネットのゴールデンで、下ネタやったらアキャンタマ”って書かれていて(笑)。芸人になったことを許されたかなぁって、すごいうれしかったですね」
−−今年の野望はありますか?
「ふと思ったのが、女性に人気の俳優さんが僕のことをイイと言うと、世間の風向きが変わるんじゃないかという(笑)。そんなラッキーが起こんないかなって、ちょっと思ってます。まぁ、でも、ネタはずっと作っていくので、ジワジワとジャブを打ち続けていたら残っていたみたいな、そんな息の長い芸人でいたいですね」
(※)ルシファー扮する先生がホームルームで、水泳の時間に男子生徒が海パンを引き上げて、その左右から出たキ○タマを打ちつける遊びを「キャンタマンクラッカー」と名づけて、流行っていることを褒めたたえるネタ。
【プロフィール】'79年10月生まれ、島根県出身。2008年デビュー。マセキ芸能社所属。ベスト&新ネタライブ『Gentlemen』が4月16日(土)、東京・関交協ハーモニックホールで開催(18時半開場、19時開演)。料金は前売2,500円、当日3,000円。チケット ローソンチケットで発売中Lコード34028 http://www.maseki.co.jp/live/yoshioka_live
(次回は16年4月最終週に更新)