さあ、秋のGIシリーズがスタート。まず「スプリンターズS」です。今年はサイレントウイットネス(3年前の優勝馬)や、一昨年の優勝馬テイクオーバーターゲットといった強敵、外国勢が不在。これで各ジョッキーにとっては、レースが読みやすくなりました。
芝1200メートルですから、流れが速くなるのは当然ですが、今年は例年以上に先行争いが激しくなりそうな予感がします。というのも、主導権を取りたいウエスタンビーナスが8番枠。その外にエムオーウイナー(10番)やビービーガルダン(13番)。逃げたい馬が外側の枠を引き当てました。
さらに、このレースの最大のポイントになるキンシャサノキセキが15番枠。前走のキーンランドCはインに入って前が壁になり、脚を余しての敗戦でした。それだけに、今回はかなり積極的なレースをするだろう…と考えていたら、前に馬を置けないこの枠順。4角を先頭で回ってくる可能性もあります。同様に3連勝のスリープレスナイトも、キンシャサと似たような脚質。14番枠では当然、キンシャサと同じように動いて出るはず。
となると、デュランダルやアドマイヤマックスが追い込んできたケースが考えられます。そこで、◎はファイングレイン。今春の高松宮記念で優勝。当時、◎で応援していたキンシャサノキセキをものの見事に一気差し。しかも、キンシャサの岩田騎手が完ぺきなレースをして差し込まれたもので、本格化ファインを再認識させられた一戦でした。このときの芝1200メートル1分7秒1は、高松宮記念の最高タイム。それでいてラスト33秒2は破格の内容です。
芝1200メートルは5戦4勝。着外の1回は前走のセントウルS9着ですが、当時は高松宮記念以来の実戦、なおかつ59キロの斤量。さらに決定的だったのが、開幕週で極上の馬場コンディションだったにもかかわらず、4角で外を回る明らかなロス。優勝したカノヤザクラや2着のシンボリグランがインを回ったことを踏まえるとコース取りの差が明暗を分けました。
今年4戦3勝。6F戦で末脚温存策を見いだしてから短距離界を席捲した春の王者がGI連覇に王手です。