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永田町血風録 本格化し始めた“政界再編”の波

 「アメリカは(大統領が)チェンジした。さあ日本も今こそチェンジの波が押し寄せた」
 民主党の最高顧問、渡部恒三が側にいた同じ最高顧問の藤井裕久とこう声を掛け、お互いにヒザをポンと叩きあった。その席に元首相で同じ最高顧問の羽田孜の姿はなかった。このメンバー、かつて自民党の経世会の仲良し。経世会が天下取りが不可能と思うと、そのリーダーの小沢一郎が「よう、みんなで団結して天下取りをしよう」と語らい、そして集まった。

 今年初めは「総選挙して国民に信を問え」と彼らの番頭格、鳩山由紀夫が声高に叫んでいた。しかし、首相の麻生太郎は彼らの挑発には乗らず、ノラリクラリ。たまたまアメリカでブッシュからオバマにリーダーが交代したとき「チェンジ」という単語をしきりに発し、これが世界の流行語になった。
 日本の野党の親分、小沢一郎も「このチェンジという言葉を使わない手はない。自民から民主へチェンジだ」。小沢はマスクとマフラーを外して、地方でこうがなりたてた。
 「ありゃ、小沢のパフォーマンスだよ。本人は政権を握ったらどうするというビジョンはない。だから真剣に政権取りなんか考えていないはず」
 かつて自民党にあって故金丸信を支えていた小沢元副総裁を、山崎拓はしたり顔でこう語っていた。けだし名言。
 とはいえ、その山崎だって、なにがあってもマイクを握り、とんでもない言葉で麻生の足を引っ張る。

 元行革相の渡辺喜美が「民主党が単独で(過半数を)取った場合にはキャスチングボート勢力になることはあり得ないが、結構自民党が頑張ったらありえないわけではない」と第三極を目指す考えを強調した。
 それを伝え聞いた渡部恒三は「自民党の中で心ある人たちに期待したい。われわれと一緒にやろうというのであれば、早めに自民党を出ていただきたい」と改革派議員に離党を呼びかけた。
 山拓は「渡辺を抱き込めばいいではないか。渡辺はひとりではどうしようもないからな」と離党した男に秋波を送るが、山拓は元幹事長で自民党副総裁などを経験した自民党の領袖のひとりである自覚にかける。
 今、自民党内には「山拓にモノを言わせるな」といった意見が多い。自民党の一部は「山拓が誤った自分の意見を言うから最近、自民党の議員の中には公然と政府や与党を批判したり、国民感情を逆なでする議員が多く出る」。中山成彬元国交相の辞任も、そして中川昭一財務相のシドロモドロの記者会見で辞任と支持率の低下と同じように閣内はガタガタ。
 だからチェンジして小沢に任せろ、と鳩山らは言う。しかし、その小沢も肝心なところになると「オレ、辞めた」と細川内閣や羽田内閣を作ったあと、投げ出した。それだけに「あの悪夢がまた」と、小沢はあまり信じられていないから首相経験者の羽田が渡部らとの寄り合いに顔を出さなかったらしい。政界はまさに一寸先は闇。

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