「吉本興業ですよ。いわゆる『闇営業』問題が明るみになった後から、世間の批判の声は該当芸人だけではなく、会社そのものの企業体質にまで及んでしまいました。ところが、ジャニー氏の訃報が流れると、ジャニーズタレントが一斉に追悼コメントを発表。そのたびにニュースとなるばかりか、黒柳徹子やデヴィ夫人ら親交のあるタレントからその偉業を称える声が寄せられ、闇営業の話題が占める割合は一気に縮小していったのです。針のむしろ状態だった吉本としては内心、この訃報をどこか有難く感じているはず」(芸能ライター)
ただ、もともとジャニー氏がくも膜下出血で倒れたのは先月18日。それからは情報統制が敷かれたため、ジャニーズタレントから直接もたらされる話以外、続報は全く聞こえてこなかった。その間、同時期に勃発した闇営業騒動は拡大し、バッシングが過熱。沈静化しようとすればするほど炎上していった吉本としては、ジャニー氏の死去はまさに「渡りに舟」だったというわけだ。
「もちろん、それで吉本の闇営業問題が全面解決したわけでもありませんし、さらに言えば、まだ表面化していない第三、第四のスキャンダルが続々と公にされるとも言われています。ただ、今のところマスコミは、ニュースのバリューをそれよりも、アイドル帝国を一代で築いた稀有な経営者に置いている状態です」(同)
だが、当のジャニーズ事務所も穏やかではいられないだろう。所属タレントから「お父さん」とまで呼ばれていた「精神的支柱」がいない今、「息子」であるタレントたちの退所危機も大いに増している。さらには、現在でこそ美談にあふれているが、ジャニー氏の「性癖」に対する告発も出てこないとも限らない。また、同氏の庇護下で揉み消されていたタレントのスキャンダルが噴出する危険もはらんでいる。下半期の芸能ニュースも目が離せない。