ディープインパクトやメジロマックイーンといった数々の超一流馬を育ててきた池江郎厩舎が、大きな期待をかけているのがサブジェクトだ。
前走の萩Sは1番人気に支持されながら4着。前残りの展開を後方から懸命に追い上げたものの、届かなかった。
「あのレースは位置取りの悪さもあったけど、何より札幌から帰ってきて初めての競馬、初めての当日輸送などで精神面の戸惑いが出た。それが大きかったようです」と片山助手は振り返った。
札幌の新馬戦はとても間に合いそうにないポジションから軽々と差し切りV。デビュー前からケイコの動きや素質の高さを評価されていたが、評判通りの強さを見せつけた。続く札幌2歳Sもオリエンタルロックの大駆けにあったものの、際どい2着に健闘した。
あの強さを再度発揮すべく、陣営はこの中間、入念なトレーニングに取り組んできた。「道中は口を割って気の悪さを出してしまった」という前走の反省から、口向きの悪さを解消させる工夫を積み重ねてきた。
「それがどういう結果になるかは分からないけど、今できることはすべてやったつもり。とにかく前走よりプラス材料を持ってGIに挑みたかったので」と片山助手は手応えをつかんでいる。
ディープインパクトの衝撃があまりに強かったせいか、今年の3歳に続き、2歳牡馬にもまだ大物と呼べる馬は現れていない。厩舎の先輩に一歩でも近づくため、サブジェクトには大事な一戦になる。
「今年の北海道では一番馬といわれたほど。不確定要素が多い2歳のGI戦だけど、仕上がりを含めて素質を引き出す用意はできた」
父フジキセキに続く父子制覇へ、照準は定まった。