児童福祉施設などに、ランドセル、文房具、現金などが、伊達直人の名で、次々に届けられている。
ここにきて、思わぬ脚光を浴びることになった伊達直人は、アニメ「タイガーマスク」の正体。ところで、「タイガーマスク」はどんなアニメだったのか?
「タイガーマスク」(原作=梶原一騎)は68年(昭和43年)から71年にかけて、「ぼくら」「週刊ぼくらマガジン」「週刊少年マガジン」に連載。テレビアニメとしては日本テレビ系列で、69年10月から71年9月に放送され、当時のプロレス人気の高さも背景もあり、爆発的なヒット作となった。
タイガーマスクこと伊達直人は、孤児院「ちびっこハウス」で生活する孤児だったが、悪役レスラー養成所の虎の穴にスカウトされた。厳しいトレーニングの末、プロレスラーとなったタイガーマスクは、悪役レスラーとしてファイトした後、日本に帰国。ふるさとである「ちびっこハウス」に伊達直人として、寄付、援助を始める。虎の穴からは、ファイトマネーの半分を上納することを義務付けられていたが、ハウス支援のため、上納金が納められなくなり、子どもたちにふれて、悪役から正統派に転向したこともあり、“裏切り者”として、虎の穴から付け狙われることになる。
虎の穴から次々に送られてくる凶悪な刺客を、反則をせずに倒していくタイガーマスクは、まさしく子どもたちのヒーローであった。また、タイガーマスクを名乗らず、素顔の伊達直人として、ハウスを援助し続けた姿は、世に感銘を与えた。
その後、81年には現実のプロレス界にタイガーマスク(初代=佐山聡)が登場。アニメのタイガーマスクの上を行くような四次元殺法で、爆発的な人気を博した。実在のタイガーマスクは2代目(故三沢光晴さん=プロレスリング・ノア前社長)、3代目(金本浩二=新日本プロレス)と引き継がれ、現在は初代の他、4代目(新日本プロレス)と5代目(フリー=いずれも正体不明)が存在する。
テレビ放送終了から実に40年。40代、50代にとっては、まさにヒーローだったタイガーマスク。伊達直人を名乗る善意の人たちは、やはりその世代なのだろうか?
(最強プロレスサイトBATTLENET/ミカエル・コバタ)